品質マニュアル 第4版       文書番号:QM99-01

使用開始日:2015年04月01日
初版使用開始日:2014年9月1日

目  次
序 文
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
1 適用範囲
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
2 関連法令及び適用規格
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
3 用語及び責任者の定義
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
4 管理上の要求事項
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
4.1 組織及び管理主体の責務
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
4.2 品質マネジメントシステム
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
4.3 文書管理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
4.4 サービスの合意事項
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
4.5 委託検査室による検査
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
4.6 外部からのサービス及び供給品
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
4.7 アドバイスサービス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
4.8 苦情処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
4.9 不適合の識別と管理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
4.10 是正処置
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
4.11 予防処置
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19
4.12 継続的改善
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19
4.13 記録の管理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
4.14 評価及び監査
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
4.15 マネジメントレビュー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
5 技術的要求事項
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
5.1 要員
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
5.2 施設及び環境条件
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
5.3 検査部の機材,試薬及び消耗品
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
5.4 検査前プロセス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
5.5 検査プロセス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
5.6 検査結果の品質の確保
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35
5.7 検査後プロセス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37
5.8 結果の報告
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38
5.9 結果の報告(リリース)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38
5.10 検査部情報マネジメント
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39

(別紙1)平成27年度〇〇病院機構組織図 : 

指定されたファイルは存在しません。


(別紙2)病院機構組織図(2015年度)検査部 : 

指定されたファイルは存在しません。


(別紙3)RE 01-100 〇〇病院検査部品質方針? 
(別紙4)「QT 01-99  検査案内」:(検査の手引き):QT 01-099
(別紙5) RE 01-130 管理主体コミットメント?

序 文
医療における検査技術は日々進歩を遂げている。我われ検査に携わる一員として,検査技術の向上を通して正確・精密な検査データを迅速に医師に伝え,引いては信頼性のある検査データの提供を介して患者ケアに貢献することは望外の喜びである。
この品質マニュアルは〇〇病院検査部に所属する各個人が一丸となり組織としてISO 15189の要求に応え,上記の目標を達成するために品質管理システム及び技術管理システムについて最小限の要求事項を記述した基本文書である。

1.適用範囲
1.1 対象組織
名 称:〇〇病院検査部(以下,「検査部」という)
 所在地:
  なお,検査部の内部組織は,本品質マニュアル(別紙2)〔〇〇病院組織図(2015年度)検査部〕のとおりであり,病院内での検査部の位置付けは,本品質マニュアル(別紙1)「平成27年度〇〇病院機構組織図」のとおりである。
病院機能評価認定番号:認定第999999号
1.2 適用する検査業務の範囲  
検査部の主要業務は,病院の外来患者,入院患者及び各診療科を対象に,的確な検査サービスを提供することである。検査サービスには,採取された検体の妥当性の確認,検体の搬送及び保管,検査データの妥当性確認,検査結果報告,データの解釈並びにアドバイスを含む。検査部が実施する検査分野及び検査項目は,検査案内:(検査の手引き);(一部外注項目あり)に示す。
但し,ISO 15189の要求事項を満たす業務は,検体検査業務(外来検査,緊急検査を含む),細菌検査業務,輸血検査業務,生理検査業務、及び情報処理部門、とし,遺伝子検査業務はこの範囲外とする。なお、生理検査業務、病理検査業務はISO15189認定申請対象外とする。

2.関連法令及び適用規格
2.1 関連法令?
EX030 医療法
EX025 臨床検査技師等に関する法律
EX031 薬事法
EX007 毒物及び劇物取締法施行規則
EX009 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
EX 002 個人情報保護ガイドライン
EX032 個人情報の保護に関する法律
2.2 適用規格,基準
ISO 15189:2012 「Medical laboratories-Requirements for quality and competence」(臨床検査室-品質と能力に関する要求事項,ISO 15189:2012 対訳))
2.4 引用規格  ISO関連?
以下の引用規格,基準,指針は,最新版を使用するものとするものとして,発行年等は省略する。
ISO 15190 「臨床検査室-安全に対する要求事項」
ISO 9001   「品質マネジメントシステム-要求事項」
ISO 9000  「品質マネジメントシステム-基本及び用語」
JAB RM200 「認定を受けるための手順及び権利と義務」(臨床検査室)
JAB RM205 「臨床検査室の認定範囲分類」
JAB RM300 「認定の基準」についての指針-臨床検査室-
JAB RM320 「分析前後段階の品質保証」についての指針-臨床検査室-
JAB RL331 「測定のトレーサビリティ」についての指針
JAB RL359:2014 「認定の基準」についての指針  微生物試験:EX-019 
JAB N410  「認定シンボル使用規則」

3 用語及び責任者の定義
本「品質マニュアル」で用いられる用語は,ISO 15189,ISO 9000,ISO/IEC Guide2及びVIMを適用するが,以下については,検査部では下表のように置き換える。

3.3.1 用語
用語 定義
検査部のサービス 検査部で実施する検体検査に係わる一次サンプル採取から検査結果報告及び検査説明、生理検査ポータブルに至る一連のサービスをいう。
サービス利用者 検査部のサービスを利用する者(患者様,医師及び業務に係わる全ての利用者をいう)。
品質マネジメントシステム 品質に関して組織を指揮し,管理するためのマネジメントシステム(ISO 15189 3.20)
医療関係者 本院において医療行為や医療行為を支援する業務を行う医師や看護師等をいう。
患者診療サービス 本院において行われる外来診療及び入院診療などの全ての診療行為をいう。
顧客 患者及び患者診療に責任を有する全ての医療関係者をいう。
力量 知識及び技能を適用するための実証された能力(ISO 15189 3.5)
検査部の要員が,業務を行う上で発揮しうる能力をいう。
能力の認定は保有する免許等により認められた能力のみならず,継続的に実務遂行能力を評価するシステムにより行われる。
(記録の)保存 劣化等を防止した状態で倉庫などに置いておくことをいう。
(記録の)保管 容易に検索できる様に識別及び見出し付けし管理された状態。
要求事項

義務として要求されているニーズもしくは期待。
要求事項は,3種類からなる。
(1)法的要求事項
検査部の業務に適用される法律・法令で義務づけられている事項
(2)規格の要求事項
ISO 15189で要求されている事項
(3)規定要求事項
本院及び検査部の規則として要求されている事項

識別 二つ以上のものを有意なものとして区別することをいう。
品質文書 品質に関連する全ての文書(品質マニュアル,品質関連規則,細則類,技術規格書,品質関連業務標準手順書)等をいう。
品質記録 購買,検査サービス,内部監査,是正及び予防処置,教育訓練の記録などで,品質マネジメントシステムが効果的に機能しているかどうかを立証するための品質及び技術的記録をいう。
委託検査室 検査のためにサンプル(試料)を提供される外部検査室
(ISO 15189 3.23)
コンサルタント 検査部の要員以外で細胞形態の判定や臨床検査業務に関する相談や指導ができる医療従事者(一般的には医師)をいう。
不適合 要求事項を満たしていないこと。(ISO 15189 3.12)
不適合検査 規定された手順や基準を満たさずに実施された検査をいう。(ISO 15189.3.12)
是正処置 検出された不適合又はその他の検出された望ましくない状況の原因を除去するための処置をいう。
予防処置 起こり得る不適合又はその他望ましくない起こり得る状況の原因を除去するための処置をいう。
内部監査 内部監査は,その組織自身又は代理人によって行われ,その組織の品質マネジメントシステムの適合性を自己宣言するために実施する監査をいう。
監査とは,監査基準(規定要求事項)が満たされている程度を判定するために監査証拠を収集し,それを客観的に評価するための体系的で独立し,文書化されたプロセスをいう。
マネジメントレビュー 検査部管理主体が実施するレビューで,品質方針及び品質目標に関して,品質マネジメントシステムの適切性,妥当性,有効性及び効率に対する定期的な体系的評価を行うことをいう。
品質指標 本来備わっている特性の集まりが,要求事項を満たす程度の目安
(ISO 15189 3.19)
患者ケアへの検査部の寄与を系統的にモニターし評価するための指標をいう。
一次サンプル 一つ以上の量または特性の検査,探究,分析のために採取された体液,呼気,毛髪または組織の分離された部分で,検体全体を反映すると想定される。(ISO 15189 3.16)
検査のために各検査部門に送付され,検査部が受取った検体をいう。
検査部が受領後に小分けした検体は,一次サンプルとはいわない。
補正係数 測定結果をそのまま報告することが出来ない場合で,測定結果と検査結果の報告基準との間に,何らかの関係が成り立つ場合に測定結果に算入する係数をいう。
妥当性の確認 客観的証拠を提示することによって,特定の意図された用途または適用に関する要求事項が満たされていることを確認すること(ISO 15189 3.26)
検査法の採用にあたり,その検査法が主治医や検査部が意図する検査結果が出せることを確認することをいう。
妥当性確認は,測定のトレーサビリティ,測定の不確かさの推定,国際標準測定操作法や勧告法の追試等をいう。
標準作業手順書(SOP) 検査業務で使用する標準作業手順書(Standard Operating Procedure)の運用について定めることにより,決められた文書に基づく作業の標準化を図ることができる。
生物学的基準範囲 生物学的基準母集団から得られる値の分布の特定範囲
例 健常と推定される成人男女の血清中のナトリウムイオン濃度値の中央95%生物学的基準範囲は,135 mmol/L から 145 mmol/Lである。(ISO15189 3.4)
測定結果の不確かさ 測定結果に付随するパラメーターで,合理的に測定対象物質に起因する値の分散を性格づけるもの。
測定システム 検査依頼から検査報告までの一連の流れ。
内部精度管理 主に精密性の監視,向上を目的とし同一のサンプルを測定したときの測定値がいつも一定であるかどうかを評価することをいう。
外部精度管理 自施設の測定値が他施設の測定値と十分な同一性を有しているかどうかの評価することをいう。
トレーサビリティ 不確かさが全て表示された,切れ目のない比較の連鎖を通じて,通常は国家標準又は国際標準に関連付けられ得る測定結果又は標準の値の性質。
標準物質 測定の校正に用いられるもの。
測定の真度 多数回繰り返し測定によって得られた測定結果の平均値と真値との一致度合いを言う。
互換性 他のものと共有できることをいう。
警戒値/緊急異常値 通常の日常検査業務において直ちに適切な処置を施さなければ患者の生命が危険にさらされる可能性のある値をいう。
極異常値(パニック値)ともいう。
HIS 〇〇病院情報管理システムをいう。「電子カルテ」
LIS 検査部の部門システムをいう。
「臨床検査情報システム」「血液システム」「血液管理システム」「細菌生物システム」「一般検査システム」
特定業務 (1)コンピュータシステムを維持・管理業務する業務。
HISの検査関連マスタの維持・管理,LISのシステム全般維持・管理,LISのマスタの維持・管理業務をいう。
(2)内部監査を実施し,監査結果を報告する業務。
物流システム(SPD) 試薬に関する供給(Supply),加工(Processing),配送(Distribution)の一元管理を目的とするコンピュータシステムをいう。

3.3.2 責任者
責任者 定義
検査部技師長 検査部について責任と権限をもつ人(ISO 15189 3.9)
ISO 15189運営上の最高責任者。
検査部管理主体 検査部の活動を指揮し,管理する人(人々)(ISO 15189 3.10)検査部技師長を長とする検査部の業務を管理運営する人(人々の集合体)。検査部長,臨床検査技師長,その他検査部長が任命する者から構成される。
検査部員 副技師長、部門長,主幹臨床検査技師、主任臨床検査技師,副主任臨床検査技師,臨床検査技師,検査業務を補助する要員をいう。
要員 検査部管理主体,検査部要員を含む検査サービスを提供する全ての人々。
検査部技師長 品質マネジメントシステムに関する実務責任者。
技術管理者 検査部管理主体から任命された者で,検査部で実施される検体検査業務において検査方法の妥当性の検討や必要なリソース導入の提案等に関する業務を担当する。検査手順に求められる品質を確保するために必要な技術的業務及び資源の支給に総合的な責任を持つ。
品質管理者 検査部管理主体から任命された者で,品質マネジメントシステムの維持及び管理を担当する。品質マネジメントシステムの要求事項を満たしていることを監督する責任と権限をもち,検査部の方針及び資源の決定を行う検査部管理主体の者に直接報告するとともに,検査部に対して利用者のニーズと要求事項に対する認識を高める。(ISO 15189 4.1.2.7参照)
アドバイスサービス者 検査部管理主体により,その能力が認定された者で,検査業務に関するアドバイスサービスを行う。能力の認定は学会等の認定資格,業務経歴,継続的医学教育の修了状況から検査部管理主体がその能力を認定し,任命する。原則として部門責任者。

4.管理上の要求事項
4.1 組織及び管理主体責務
4.1.1 組織
4.1.1.1 一般
 検査部は検査技術室並びに移動施設・設備で作業を行う場合,この国際規格の要求事項を満たすものとする。
4.1.1.2 法人組織
 検査部は,法人登記をしている「〇〇病院機構静岡県立総合病院(以下「〇〇総合病院」)」の検査部として設置され,運営している。

4.1.1.3 倫理的行為
 検査部技師長を長とする検査部管理主体は,要員が倫理的行為を遵守するために,以下の事項を確実にする。
a)「〇〇病院機構職員倫理規程(以下〇〇病院倫理規程)」に基づき,要員の力量,公正さ,判断,作業の誠実さに対する信頼を損なう如何なる活動にも確実に関与しない。
b)「〇〇病院倫理規程」「〇〇病院就業規則」に基づき,管理者及び要員が業務の質に悪影響を与えるおそれがある何らかの営利上,財務上又はその他の内部的及び外部的圧力を排除する。
c)「個人情報の保護に関する法律」に基づき,機密情報を確実に保護する。
d)一次サンプルの検査に関与するあるいは影響を持つ検査部の要員は,利害の衝突を避けるために,「〇〇病院倫理規程」を遵守する。また,その責任を「職務規程」に定める。
e)ヒトサンプル(試料)、組織、又は残余物を、原則として再利用しない。
ただし、教育・研究用として使用する場合は、病院の個人情報保護方針に準じることとする。

4.1.1.4 検査部長
 検査部長は,専門,科学,コンサルテーションあるいは助言,組織,経営,教育に関する事項の責務を負う。これらは検査部が提供するサービスに関連したものである。また,検査部技師長及び要員は,次の事項を遂行できる適切な経歴を持つ。
a) 病院の予算計画及び責任ある財政管理を含む検査サービスの効果的,効率的な管理の実行
b) 下記との連携,効果的な活動
・××大学、××病院、××医療センター
・院内各部門
・××医師会,日本医師会,××臨床衛生検査技師会,日本臨床衛生検査技師会等
c) 検査部のニーズを満たす適切な訓練と経験を有する適格な人材の十分な確保
d) 品質方針の確実な実行
e) 法規制及び「〇〇病院医療安全管理規程」「臨床検査患者安全対策」に則った安全な検査室環境の提供
f) 医療スタッフとしての役割を果たすために,要員の院内各種委員会への参画
g) 検査の選択,検査サービスの使用及び検査結果の解釈等に関するアドバイス
h) 検査室サービスの品質を維持するための供給者の選択と監視
i) 検査室サービスの品質を維持するための全ての委託検査室の選択と監視
j) 要員に対する研修会・学会への参加並びに研究会・学会活動への参画
の提供
k) 医学的に信頼できるデータが得られていることを確かめるために,検査部で行われている全ての業務の監視
l) 臨床医,患者等の検査サービス利用者からの苦情,要求,提案への対応
m) 緊急事態での検査サービスの利用制限/不可能な場合,不可欠なサービスが利用可能
であることを確実にするための危機管理計画の策定と実行
n) 該当する場合,検査方法の研究・開発の計画,指導
検査部長は,質のよい検査サービスを確実に患者に提供するために,検査部の作業及び運営全体について責任を持つ。

4.1.2 管理主体責務
4.1.2.1 管理主体コミットメント
 検査部長を長とする検査部管理主体は,品質マネジメントシステムの構築と維持向上を図るために以下のコミットメントを書面で行い,品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善する。
a) 検査部要員に下記を伝える。
①臨床医,患者等の検査サービス利用者のニーズや要求事項(4.1.2.2)を満たすこと。
②法規制,ISO 15189の要求事項を満たすこと。
b) 品質方針の設定(4.1.2.3)
c) 品質目標,品質計画の設定と実行(4.1.2.4)
d) 要員の責務,権限及び相互関係の定義(4.1.2.5)
e) コミュニケーションを確立する(4.1.2.6)
f) 品質管理者の任命(4.1.2.7)
g) マネジメントレビューの実施(4.15)
h) 要員に要求される力量の確保(5.1.6)
i) 検査前,検査,検査後の各プロセスの検査業務を円滑に実施するための適切な資源(機材、試薬、消耗品等)の利用を確実にする。
4.1.2.2 利用者のニーズ
 検査部管理主体は,検査部が提供するサービスが臨床医,患者等の検査サービス利用者のニーズを満たすために「苦情処理手順書」に従い、また「患者の声」を聞き実施する。
4.1.2.3 品質方針
 検査部管理主体は,検査部に適用する品質方針及び目標を定め,品質マニュアルに宣言する。
  最新の品質方針,目標を「品質方針」に示す。
4.1.2.4 品質目標及び品質計画
 検査部は,品質目標の達成を確実にするために以下の通りプログラムを実施する。
1) 検査部管理主体は,各部門に対して部門品質目標及び品質計画の策定,実施を指示する。
2) 各部門責任者は,部門別品質目標及び品質計画を策定し,これに基づき活動を推進する。活動期間中,検査部管理主体に定期的に進捗報告を行う。
3) 検査部管理主体は,各部門の品質計画の進捗状況を監視し,必要に応じて計画の見直し等を当該部門長と協議する。
4) 各部門長は,年度末のマネジメントレビューにて品質目標の達成結果を報告する。
5) 検査部管理主体は,各部門からの品質目標達成結果を評価し,検査部全体の品質目標の達成結果を総括する。
6) 検査部技師長は品質目標の達成結果を勘案して,品質方針,目標の見直しをレビューする。(4.15)
4.1.2.5 責務,権限及び相互関係
  検査部管理主体は,要員の責務,権限及び相互関係を明確にするために,全ての要員の個々の責任,権限及び相互関係を「職務規程」に定める。
また,組織及び管理上の構成並びに関連他組織との関係を(別紙2)〔静岡県立病院
組織図2014検査部〕に規定する。
4.1.2.6 コミュニケーション
 検査部管理主体は,品質マネジメントシステムが円滑かつ効果的に機能するために,マネジメントレビュー,部門長会議,検査部精度保証委員会会議にて検査部内のコミュニケーションを確実にする。また,品質管理者/技術管理者は,前記会議の議事録を作成し,全ての要員に開示し内容を周知する。
品質管理者は,品質マネジメント活動の状況を共有するために,品質方針,品質目標の達成状況を各セクションに掲示する。
4.1.2.7 品質管理者
 検査部管理主体は,品質マネジメントシステムの要求事項を満たしていることを監督する責任と権限を有し,検査部管理主体に直接報告する品質管理者を任命する。
4.1.2.8 主要な要員の任命
 検査部管理主体は,品質管理者以外の以下の主要な要員を任命する。
a) 検査部の手順に求められる品質を確保するために,必要な技術的業務及び資源の支給に総合的な責任をもつ技術管理者を任命する。
b) 全ての重要な機能に係る代理担当者を任命する。
  また, 技術管理者及び品質管理者の役割と責任は,次の通りとする。

役割 : 責任
技術管理者:①検査部で実施される検体検査業務に関する検査方法の妥当性の確認及び管理
②必要なリソース導入の提案等に関する業務、検査部管理主体に対する報告及び各検査室の技術レベルの維持,管理及び向上に向けた活動
品質管理者:①品質マネジメントシステムの維持,管理及び適切な運用の監視
②QMS年間計画の立案,推進
③内部監査の計画立案,実行,検査部管理主体への報告に関する業務
④(公財)日本適合性認定協会との連絡業務
⑤検査部管理主体に対し,品質マネジメントシステムの運用状況の報告び改善に向けた提案
⑥内部監査の実施と検査部管理主体への報告
⑦マネジメントレビューの実施とフォローアップの確認
⑧(公財)日本適合性認定協会の定期的な受審に関する窓口
関連文書 
RE01-093 〇〇病院定款 :

指定されたファイルは存在しません。


RE01-094 〇〇病院H27事業概要書 :

指定されたファイルは存在しません。


EX Hosp-007 医療安全管理マニュアル :院内共有 
QT 01-03  職務規程
RE01-095 〇〇病院組織図2015検査部 :

指定されたファイルは存在しません。

 
RE01-098 平成27年度検査技術室 事務分掌 :

指定されたファイルは存在しません。


EX Hosp-009 〇〇病院医療安全管理規程 :

指定されたファイルは存在しません。


EX Hosp-008 〇〇病院機構職員倫理規程 :

指定されたファイルは存在しません。


EX 002 個人情報保護ガイドライン 第2集:

指定されたファイルは存在しません。


EX 038 個人情報保護ガイドライン :第3集:

指定されたファイルは存在しません。


EX 032 個人情報の保護に関する法律 :

指定されたファイルは存在しません。

 
EX003 臨床検査患者安全対策 :

指定されたファイルは存在しません。


QT 01-16  苦情処理手順書
RE 01-037 苦情受付・経過記録書 :

指定されたファイルは存在しません。


RE 01-040 患者様の声 :

指定されたファイルは存在しません。


EX Hosp-013 平成25年度第3回臨床試験管理運営委員会議事録
(議題1)「余剰検体の取り扱いについての報告」 :
EX Hosp-012「検体(資料)の保存と使用についてのお願い」 :

4.2 品質マネジメントシステム
4.2.1 一般要求事項
検査部技師長は,品質マネジメントシステムの運営に関する方針,プロセス,プログラム,手順及び指示を文書化し,関係部署に配付することで関連する全ての要員に周知するとともに,必要に応じて勉強会を開催する。
検査部管理主体は,これらの文書を検査部要員が確実に理解し実施されていることを確実にし,内部監査を用いて監視する。また,品質マネジメントシステムが効果的に運用管理されていることをマネジメントレビューでレビューする。
検査部は品質マネジメントシステムを効果的に運用管理することは,以下のプロセスマネジメントを実施することに他ならない。
a) 品質マネジメントシステムに必要なプロセスを明確にし,それらの検査部への適用を確実にする。
b) これらプロセスの順序及び相互関係を明確にする。
c) これらのプロセスの運用及び管理を効果的であるために必要な判断基準と方法を設定する。
d) これらのプロセスの運用及び監視に必要な資源と情報を提供する。
e) これらのプロセスが計画どおりの結果を得るため,かつ継続的改善を達成するために必要な処置を実行する。
4.2.2 文書化に関する要求事項
4.2.2.1 一般
品質マネジメントシステムには次の文書を含む。
a) 品質方針及び品質目標の表明
b) 品質マニュアル
c) ISO 15189が要求する手順及び記録
d) 検査部が定めた文書及び記録
e) 適用規制,規格,その他引用文書
4.2.2.2 品質マニュアル
品質マニュアルには,次の事項を規定する。
a) 品質方針
b) 品質マネジメントシステムの適用範囲
c) 検査部の組織及び病院組織における検査部の位置づけ
d) ISO 15189への適合性を含め,検査部管理主体,検査部技師長,技術管理者,品質管理者の役割と責任
e) 技術的手順書を含めて支援の手順書又はその引用,情報
全ての要員は,品質マニュアル及びすべての関連文書が使用でき説明を受ける。
品質管理者は,品質マニュアルを最新版に維持管理する。
関連文書
QT 01-03  職務規程
QT 01-06  品質文書管理手順書
QT 01-02  内部監査手順書
QT 01-17  品質目標管理手順書
RE01-001内部監査計画書参照(ISO15189内部監査是正処置控) :

指定されたファイルは存在しません。

4.3 文書管理
1) 検査部は,品質マネジメントシステムを構成するすべての文書と情報(内部,外部)を管理する手順を「品質文書管理手順書」に定め,運用する。
2) 品質文書を構成する全ての文書を「品質文書リスト」「品質記録リスト」「品質文書管理手順書」に示す。
3) このような管理文書は,原本を各一部保存する。
4) 検査部技師長は,品質文書の保存期間を特別な定めのない限り改訂後5年間と定め,原則として原本を紙媒体で保存管理し,原本と識別できるようにPDFファイルを管理コピーとして電子媒体で保存管理する。(情報室)
5) 品質マネジメントシステムを構成する文書には「品質マニュアル」,「共通規程」,「共通手順書」(リストを含む),「作業手順書」,「ソフトウエア」及び「記録」で構成し,文書化する。その他外部文書として「法規」,「規格」,「病院文書」,「メーカー資料」,「ソフトウエア」,「文献等資料」,などがある。
文書の構成は「品質マネジメントシステム文書構成図」及び「品質マネジメントシステムを構成する文書の分類」に示す。

図1 品質マネジメントシステム文書構成図

注)共通規程の中には「手順」が含まれるものもある。
品質マネジメントシステムを構成する文書の分類は次の通りとする。

文書分類    :   目的
品質マニュアル
(レベル1) ISO 15189及び関連する適用規準の要求事項を満たす当検査部の品質マネジメントシステムを定めた文書群:共通規程
(レベル2) 当検査部に共通してかかわる業務の規則を定めた文書:共通手順書
(レベル2) 当検査部の品質マネジメントシステム実行のために必要な手順を定めた文書:作業手順書
(レベル3) 検査部各部門毎に業務を行うために必要な手順を定めた文書:標準作業手順書SOP・標準操作手順書 機器SOP・
QT 01-24  機材管理手順書・ソフトウエア
(レベル3) HIS、LIS(院内共有フォルダ内)
管理手順書はセクション別:QT 01-25院内情報システム管理手順書
規格(外部文書):ISO15189など
法規制(外部文書) :臨床検査技師等に関する法律、医療法など
資料(外部文書):不確かさ計算式、CLSI採血基準、臨床検査法提要など
様式:上記文書中で定められる記録を残すためにあらかじめ定められた様式
ソフトウエア(外部文書):参考文献など
記録
(レベル4) 活動の結果の証拠を示すもの
文書の一部であるが,管理方法は別途定める

4.3.2 品質文書の維持管理
品質文書は,「品質文書管理手順書」に基づき次の通り維持管理する。品質管理者の責任のもと,これらの事項を確実に実施する。
a) 品質マネジメントシステムの一部として,全ての文書は発行に先立ち権限を有する要員が確認し,承認する。
b) 現在有効な版及び配布状況を識別した「品質文書リスト」「品質記録リスト」を維持管理する。
c) 現時点で承認されている版の文書のみが関連部門で利用できる。
d) 品質文書を毎年定期的及び品質管理者が必要と判断したときに,当該文書の管理者に見直しの実施を指示する。見直しの結果,必要に応じて改訂する。見直しの結果を含めて「レビュー改版/レビュー履歴」に記録を残す。
e) 不注意な使用を確実に防止するために,無効・廃止文書を使用場所から確実に撤去する。
f) 保存,保管されている旧文書の不注意な使用を避けるために,旧文書の表紙に「廃止」の文字と廃止日を記載して適切に識別する。
また,保管期間を過ぎた品質文書はシュレッダー廃棄する。
g) 文書を改訂する場合は,改訂の理由,内容をマネジメントレビユー記録表欄に記録する。文書の改訂にあたっては,特別な指示がない限り,その文書の初版の作成,審査,承認と同じ手続きを行う。また,変更箇所には下線で識別する。
h) 文書再発行までの手書きによる文書修正の手順及び改訂文書の正式な再発行に関する手順並びに再発行までの期間を定める。
i) 病院内LANで文書を開示する場合及びコンピュータ内で管理する文書に関しては,権限を与えられた要員以外は変更のアクセスができないようにする。
4.3.3 品質文書の識別と周知
検査部の各部門は,「品質文書管理手順書」に基づき,品質文書を次の項目を含む方法により識別する。
a) タイトル
b) 版又は現在の版の日付又は版番号又はそれら全て
c) 文書番号(「品質文書管理手順書」に定めた識別方法による)
d) ページ番号(ページ/総ページ数)
e) 発行権限を持つ者(作成者・確認者・承認者印または署名)
さらに,「品質文書管理手順書」に従い,品質文書リストに登録する。
また,外部参考文書は,ファイリングして保管する。
配付先の部門責任者は,検査部要員に品質文書の発行,改訂の旨を周知させ,必要に応じて周知記録を残す。

関連文書
QT 01-06  品質文書管理手順書
LI 01-099「品質文書リスト」 :

指定されたファイルは存在しません。


LI01-098「品質記録リスト」 :

指定されたファイルは存在しません。


QT 01-25  院内情報システム管理手順書
(①HIS各部門使用制限は職員コードで規制②LISPC電源画面放置確認)
EX 01-002 検査室入室規約 :

指定されたファイルは存在しません。

4.4 サービスの合意事項
4.4.1 サービスの合意事項の確立
検査方法の取決めや検査サービスの提供に係る合意事項(以下,「契約」と略す)及び契約の変更に結びつく契約内容の確認の方針及び手順を「検査サービス合意事項確認手順書」に定める。
検査部管理主体は,新規検査項目,検査方法の選定等については「検査項目検討部会」に諮り承認を得る。
「検査案内:(検査の手引き)」には次の事項を含める。
a) 要求事項が十分に定められていること(使用すべき検査方法を含める),及び契約内容が契約先に理解されていることを確実にするために,次の事項を実施する。
ⅰ:対象となる検査項目は,原則として院内オーダリングシステムに登録されている検査項目とする。これには委託検査項目も含まれる。
検査項目を新規に追加する場合は,「検査項目検討部会」にて臨床側と合意を得るものとする。
ⅱ:検査部で実施している検査の検査方法は,「検査案内:(検査の手引き)」中に規定する。
b) 検査部が要求事項を満たす業務能力及び資源を持つこと。
この場合の業務能力とは,次の事項を含む。
ⅰ:検査を実施する能力を持つ人材を有する。
ⅱ:必要な技能と専門知識
ⅲ:検査を実施する検査設備等を有する。
c) 選定された適切な検査手順が契約の要求事項と臨床上の必要性を満たしていること。
d) 検査結果に影響を与える合意事項から逸脱した場合には連絡する。
e) 委託検査室は委託したすべての作業について連絡する。
4.4.2 サービスの合意事項のレビュー
検査部は,検査サービスの合意事項のレビュー及び変更について,以下のとおり実施する。
a) 検査サービスを提供するための合意事項のレビューは,全ての側面を含めて実施し,記録する。
b) 検査部管理主体は,「検査案内:(検査の手引き)」に基づき,業務開始後に契約の修正を行う必要が生じた場合,前回契約時と同じ契約内容の確認のプロセスを繰り返す。契約内容を大きく変更する場合(検査方法や試薬の変更,検査結果の解釈に影響を与える事項等),検査部管理主体は変更内容の影響を受ける全ての部門に通知する
c) 検査方法,基準範囲,単位,所要時間など契約の重要な変更が生じる場合,検査部管理主体は臨床側との連絡会議である「検査運営委員会」にて承認を得,議事録を残し保管する。
d) 検査の変更または新規検査項目の承認を得た後,技術管理者は「ラボニュース」を作成し,少なくとも実施日の2週間前にメールで院内及び検査部各部門に連絡する。また,院内LAN掲示板に掲示する。
e) 試薬や装置などの問題で緊急に契約内容を変更しなければならない場合,「試薬消耗品管理手順書」に従い、技術管理者は検査部管理主体の指示のもと,「ラボニュース」を作成し,上記「ラボニュース」と同様に院内及び検査部各部門に通知する。臨床側から疑義が申し立てられた場合,検査部管理主体及び技術管理者は臨床側と協議して解決を図る。これらは,議事録またはミーティングメモとして記録を残し保管する。

関連文書
QT 01-99  検査案内
QT 01-08  コミュニケーション手順書
QT 01-10  検査サービス合意事項確認手順書
RE01-073 「ラボニュース」(情報室)
QT 01-11  試薬消耗品管理手順書
4.5 委託検査室の検査  
4.5.1 委託検査室の選定と評価
検査部管理主体は委託検査室の評価と選定についての効果的な手順を「委託検査管理手順書」に定める。
検査部管理主体は,「委託検査管理手順書」に基づき,委託検査室を評価し委託先の選定を行う。検査部管理主体は,「委託検査管理手順書」に基づき委託検査の質を監視する。
検査部管理主体は,「委託検査先チェックシート」を用いて外部精度管理記録等(検査サービスの品質,能力の評価方法)により委託検査室の監視を行い,委託検査室が委託検査を実施する能力を持つことを確実にする。
技術管理者は,委託する委託先検査室を「委託検査先一覧表」に登録して管理する。
検査部管理主体は,「委託検査管理手順書」に基づき,次の事項を確実にするために委託検査室に対する委託内容を定期的に見直す。
a) 検査前手順及び検査後手順を含めた要求事項が適切に定められており,文書化され,理解されていること
b) 委託検査室が要求事項を満たす能力を持っており,利害の衝突がない
c) 測定法の選択が意図する用途に適切であること
d) 検査結果の解釈に関して,個々の責任範囲が明確に規定されていること
検査部管理主体は,「委託検査管理手順書」に基づき,委託検査室との委託内容の見直しの記録を保管する。
e)委託された全てのサンプル(試料)の依頼と結果はあらかじめ定義した期間内、維持する
4.5.2 検査結果の提供
1)記録の保管
委託検査を担当する部門責任者は,「委託検査管理手順書」に基づき,全ての委託検査室の記録を保管する。また,委託した全てのサンプルを「外注依頼リスト」に記録する。測定結果に責任を持つ委託先の名称及び所在地を検査部のサービス利用者に提供する。検査結果報告書を患者記録としてサービス利用者に提出するとともに,委託先の検査結果を「外注結果リスト」として所定の期間保存する。
2)検査結果報告
委託検査を担当する部門責任者は,「検体検査実施手順書」及び「委託検査管理手順書」に基づき,委託検査室の検査結果及び所見を適切に依頼者に報告することを確実にする責任を持つ。
委託検査室から提出される検査結果の報告は,次の通り行う。
a) 委託検査室からの検査結果は,USBで伝送される。伝送された検査結果を担当者が検査結果台帳で確認し,サインし,リリース処理を行う。
b) オンライン外で報告される検査結果については,委託先報告書を病歴室へ送りスキャナー取り込みし,控えを検査部が保管する。
c) 検査部は検査結果に変更を加えずに臨床側に報告する。
関連文書
QT 50-01  委託検査管理手順書
QT 01-21 検体検査実施手順書 Ⅱ
RE 01-054「委託検査先一覧表」 : 

指定されたファイルは存在しません。


RE01-032「委託検査先チェックシート」  :

指定されたファイルは存在しません。


RE01-035「外注依頼リスト」(検査受付)
RE01-036「外注結果リスト」(検査受付)

4.6 外部からのサービス及び供給品
1) 外部からのサービス及び供給品の選定
検査部は,検査の質に影響を及ぼす供給者からのサービス及び機材,試薬,標準物質,精度管理物質,検査キット,消耗品の選定,及び購買に関する方針を「購買管理手順書」に定め,供給品等が品質に関する要求事項に適合することを確実にする。また,試薬,消耗品の検証,受入又は拒絶に関する手順を「試薬消耗品管理手順書」に定める。
2) 供給者の選定
検査部は,「購買管理手順書」に基づき,供給者の選定を行う。これらの選定の記録及び承認された供給者を「供給者リスト」に登録する。
3) 購買情報
各検査部の要員は,購入した物品等が検査部の品質受入検収基準に適合することを品名,ロット番号,有効期限,数量,外観等の確認により確実にする。
外部からのサービス,購入品,消耗品の一覧を「機材管理表」に示す。
4) 供給者の評価
検査部は,「購買管理手順書」に基づき,供給者の評価を行い,結果をマネジメントレビューに提出し供給者の定期的レビューを実施する。
関連文書
QT 01-04  購買管理手順書 物流システム利用(院内共通)
QT 01-11  試薬消耗品管理手順書 物流システム利用(院内共通)
QT 01-15  妥当性確認手順書 分析法バリデーション(プログラムV.2.0)
QT 01-06  品質文書管理手順書
QT 01-22  内部精度管理手順書
QT 01-07  検査室比較管理手順書
RE01-056「機材管理リスト」、RE01-057「納品リスト」
院内物流システム:①試薬及び消耗品在庫システム②消耗品在庫管理システム

4.7 アドバイスサービス
検査部管理主体は,アドバイスサービスを「アドバイスサービス実施手順書」に従い行う。
平易な問合せについては全ての検査部員が,また専門的な判断を要する事項については部門責任者(以下,「アドバイスサービス者」という。)が,アドバイスサービス提供者として次の事項を実施する。
1)検査の選択
2)臨床症例における助言
3)検査結果の解釈,必要があれば関連する検査項目の紹介
4)検査部のサービスの利用
5) サンプルが受入基準を満たさない事例における科学的,論理的なコンサルティング
6) 検査部のサービスの利用あるいは科学的な事柄についての相談に応ずるため,学術雑誌や学会等から最新の知識を吸収することに努める。
なお,アドバイスサービスの内容は,「電話相談メモ」に記録する。
検査部管理主体は検査部要員が各種委員会に参画することにより,積極的にアドバイスサービスを提供することを確実にする。
関連文書
RE01-058「電話相談メモ」 :

指定されたファイルは存在しません。


QT01-26 「アドバイスサービス実施手順書」

4.8 苦情処理
検査部は,患者及び医療関係者から受けた苦情及びフィードバックを処理する手順を「苦情処理手順書」に定める。
品質管理者は,「苦情処理手順書」に基づき,患者様及び臨床側の苦情の記録や検査部が行った調査,是正処置の記録を保管する。

関連文書
QT 01-16  苦情処理手順書
QT 01-13  不適合・是正処理実施手順書

4.9 不適合の識別と管理
4.9.1 不適合処置の方針と手順
検査部管理主体は,検査の全ての側面で検査部の手順,品質マネジメントシステム,検査を依頼した臨床医と合意した要求事項に適合していないことが判明した場合に実施すべき方針及び次の事項を含む手順を「不適合・是正処理実施手順書」に定める。
1) 問題解決の責任者に関する事項
2) 実施すべき処置に関する事項
3) 検査を依頼している臨床医への通知に関する事項
4) 測定の中止と報告の保留に関する事項
5) 是正処置の実施に関する事項
6) 報告済みの不適合検査結果の回収,あるいは適切に識別する事項
7) 検査の再開を認める責任者に関する事項不適合事例の記録に関する事項(インシデントレポートの収集等)
8) 不適合の記録から傾向を調べ,予防処置を開始するために定期的に見直しを行う。
技術管理者は,不適合に関する全ての処置を実施するとともに,検査部管理主体へ報告する。
但し,即時対応の必要性がある緊急の場合には,担当部門の要員が代理担当者としてこれにあたることができるものとする。その場合,事後速やかに技術管理者及び検査部管理主体に報告する。
4.9.2 不適合検査における是正処置
検査部管理主体は,不適合検査の再発の可能性や品質マニュアルに規定された方針や手順に対する適合性に疑いがあることが示された場合,根本原因を識別,文書化し,速やかに原因を排除する。
技術管理者は,「不適合・是正処理実施手順書」に基づき,それまでに測定した検査結果の見直しを実施し,記録を保管する。

関連文書
QT 01-13  不適合・是正処理実施手順書
 
4.10 是正処置
1) 是正処置手順
検査部は,発見された不適合の重大性を評価し,リスクに応じた処置を実施する。
検査部は,以下の事項を含めた是正処置の手順を「不適合・是正処理実施手順書」に定める。この調査過程は予防処置のつながるものである。
a) 不適合の内容確認
b) 問題の潜在的原因を特定する調査過程
c) 不適合の根本原因の特定と不適合の排除(緊急処置)
d) 不適合の再発防止を確実にするための是正処置の必要性の評価
e) 必要な是正処置の決定及び実行
f) 講じた是正処置の結果の記録(4.13参照)
g) 講じた是正処置の有効性のレビュー(4.14.5参照)
2) 是正処置の実施
検査部管理主体は是正処置の調査結果により必要となった作業手順の変更を文書化し実施する。
3) 是正処置の効果の確認
検査部管理主体は,見出された問題の解決が確実に功を奏したものとするために,実施された是正処置の成果を品質管理者または技術管理者からの報告により確認し,必要に応じて指示する。
4) マネジメントレビューへの報告
是正処置の結果は,マネジメントレビューのインプット情報として,検査部管理主体に提出される。

関連文書
QT 01-13  不適合・是正処理実施手順書
QT 01-02  内部監査手順書
 
4.11 予防処置
1) 予防処置手順
検査部は,起こり得る不適合が発生することを防止するために,予防処置を実施する手順を「不適合・是正処理実施手順書」に規定する。予防処置は,起こり得る問題の影響を考慮して「不適合・是正処理実施手順書」に基づき実施する。
2) 予防処置に係る情報
技術管理者または品質管理者は,次表にかかげる情報に基づき,必要に応じて予防処置計画を立案し,関係者と協議し,検査部管理主体の承認を得る。
予防処置計画には,投入資源,展開スケジュール及び完了時期,評価基準を含む。
監視すべき情報 責任/権限者 備  考
QMSに係る不適合情報
内部/外部精度管理状況
患者,診療部門からの問い合わせ
報告時間の傾向
院内インシデント/アクシデント
学会関係情報
その他 立案:品質管理者
承認:検査部管理主体

品質管理情報
内部/外部精度管理状況
測定機器の点検保証期限
再検査の状況
検査部員からの報告
その他 立案:部署責任者
協議:技術管理者
承認:検査部管理主体
3) 予防処置の有効性の確認
技術管理者または品質管理者は,「不適合・是正処理実施手順書」に基づき,処置の開始及び処置の有効性を確認する。
技術管理者または品質管理者は,予防処置の過程でQMS文書及びSOPの見直し改訂が必要と認めた場合は検査部管理主体に報告し,指示を受ける。
技術管理者または品質管理者は,予防処置の結果をマネジメントレビューのインプット情報として,検査部管理主体に提出する。
関連文書
QT 01-13  不適合・是正処理実施手順書
 
4.12 継続的改善
1) 改善活動
検査部は,内部監査を含む評価活動,是正処置及び予防処置における遂行能力を比較することによるマネジメントレビューの利用を通して,検査前プロセス,検査プロセス,検査後プロセスを含む品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善する。
a) 検査部管理主体は,患者ケアに関わるリスクアセスメント(4.14.6)(患者様の安全と検査結果)に基づく課題を優先事項として改善活動に取り組むことを要員に指示する。
b) 改善活動の行動計画を策定し,文書化し,これに基づき実施する。
c) 処置を行った部門からの報告や内部監査,マネジメントレビューにおいて実施した処置の有効性を評価する。
2) 患者診療への寄与
検査部管理主体は,検査部の患者診療への寄与を系統的に監視し評価するために,次の品質指標を設定し監視する。この監視により,改善の機会が見出された場合,改善を指示する。
品質指標
a) 検査報告時間(TAT):適用される検体検査の迅速報告による診療支援
b) インシデント件数 :
c) 苦情件数     :

検査部管理主体は,患者診療に関係する領域で以下の品質改善活動に参加することを支援する。 
<品質改善活動>
1) 検査部精度保証会議
2) 検査部・部門長会議/部門ミーティング
3) 検査運営委員会
4) 院内感染防御委員会
5) NST委員会 
6) DMカンファレンス
7) 糖尿病教室

4.13 記録の管理
1) 品質記録管理手順
検査部は,品質及び技術的記録の識別,収集,見出し,利用,保管,維持,及び安全な廃棄の手順を「品質文書管理手順書」及び院内の文書廃棄手順に従い,実施する。
2) 品質記録の保管
全ての記録は読みやすいものにし,容易に検索できるような方法で保管する。
記録の破損,品質低下,消失または無許可のアクセスを予防するのに適した環境で保管する。
3) 記録の種類と保管期間
検査部は,品質マネジメントシステムに関連する記録類及び検査結果の保管期間を定めた方針を「品質文書管理手順書」に定める。検査の性質や個々の記録の特性に照らして,記録の保管期間を「品質文書リスト」「品質記録リスト」に定める。

記録には次の事項を含める。
a) 検査依頼
b) 患者の検査結果及び報告
c) 測定機器から出力された印刷物,保管データ及び情報
d) SOP&検査案内(検査の手引き)
e) ワークシート(細菌検査、輸血検査)
f) 一次サンプル受領記録(電算LIS)
g) 校正関数及び変換係数
h) 内部精度管理記録
i) 外部精度評価記録/検査室間比較記録
j)  インシデント記録,処置記録,アクシデント記録,処置記録
k) 苦情及び実施した処置記録
l) 緊急処置,是正処置記録
m) 予防処置記録(患者リスクアセスメント報告書、是正・予防処置計画/報告書)
n) 内部及び外部監査記録
o) リスクマネジメント記録
p) 品質改善活動の記録
q) 内部,外部校正を含む機器の保全記録
r) 試薬等のロットに関する記録,供給品の証明書,パッケ-ジ添付文書
s) 事故/災害の記録及び行った処置記録
t) 要員の資格,教育訓練及び力量評価の記録
u) 検査部の品質管理活動に関する決定事項が記録されたミーティング議事録
v) マネジメントレビュー記録

[関連文書]
QT 01-06  品質文書管理手順書
LI01-099「品質文書リスト」 :

指定されたファイルは存在しません。


LI01-098「品質記録リスト」 :

指定されたファイルは存在しません。


RE01-129「患者リスクアセスメント報告書」 :

指定されたファイルは存在しません。


RE01-004「是正・予防処置計画/報告書」 :

指定されたファイルは存在しません。

4.14 評価及び監査
4.14.1 一般
検査部は,品質マネジメントシステムの有効性を評価するために,以下の必要なプロセスの評価及び内部監査を実施する。
a) 検査前プロセス,検査プロセス,検査後プロセス及び支援プロセスが利用者のニーズ及び要求事項を満たすように実施されていることを実証する。
b) 品質マネジメントシステムへの適合を確実にする。
c) 効果的な品質マネジメントシステムを継続的に改善する。
評価及び改善活動の結果には,検査部のマネジメントレビューに対するインプットが含まれる。
4.14.2 依頼,手順の適格性及びサンプル(試料)要求事項の定期的なレビュー
「検体検査実施手順書」に基づき,検査部が提供する検査結果が依頼に対して適切であることを確実にするために,検査部管理主体が認定した要員により検査結果をレビューする(5.7.1参照)。
技術管理者は,サンプル(試料)量,採取器具,保存剤が適切であることを確実にするために,「検査案内:(検査の手引き)」(一次サンプル採取マニュアル)をマネジメントレビューに先立ち,検査部管理主体に報告する。
4.14.3 利用者フィードバックのアセスメント(評価)
検査部管理主体は,臨床医,患者等のニーズ及び要求事項を満たしているかどうかに関して臨床医,患者等の利用者がどのように受けとめているかについて,以下の情報を収集し解析する。解析した結果は,「検査部精度保証会議議事録」にて報告する。
a) 問い合わせ記録
b) 苦情報告
c) 必要に応じて実施するアンケート
アンケート実施手順:
対象:1)臨床医、2)患者
質問項目・内容:1)検査時間(TAT)、項目等  2)採血待ち時間、環境等
d)フィードバック手順:1)ラボニュース  2)採血室掲示等
これらの収集した情報及び解析記録を保管する。 
4.14.4 スタッフの提案
検査部管理主体は,要員からの検査前,検査,検査後の各プロセスの改善について積極的に提案できるように検査部会議,各検査部内ミーティングを通じて働きかける。
1) 要員は,「要員からの提案記載表」を用いて検査部管理主体に提案する。
2) 検査部管理主体は「要員からの提案記載表」を検討し,採用不採用を問わず提案者にフィードバックする。
3) 検査部管理主体は,提案の採用結果を検査部会議にて公表し,要員に周知するとともに,採用した提案を品質管理者,技術管理者と協議し,具体的な計画を策定し実施する。

4.14.5 内部監査
1) 内部監査の原則と監査手順
検査部管理主体は,内部監査のタイプ,頻度,方法及び必要な文書などを記した手順及び方針を「内部監査手順書」に定める。品質管理者は,「内部監査手順書」に基づき,検査部が,ISO 15189,品質マニュアル及び関連する文書に従って作業,行動しているかを確認し,効果的に機能しているか,及び改善の必要性があるかを検証するために,以下の方針に基づき内部監査を計画し実施する。
a) 特に患者診療にとって極めて重要な事項(一次サンプル採取,一次サンプル搬送,
検査実施,結果報告及び精度管理)についての監査を行う。
b) 品質管理者は,品質マネジメントシステムの他の活動を軽視しない限り,特定の活動を重点的に監査することを指示できる。
c) 品質マネジメントシステムの活動を判断するために毎年監査するが,必ずしもすべての要求事項を網羅するものではない。
2) 内部監査の実施
品質管理者は,「内部監査手順書」に基づき,内部監査を計画し,組織化し,内部監査員に実施を指示する。監査員は自己の業務を監査できない。監査員は,不適合又は要改善事項が見出された場合,その事項を文書化する。
また,被監査部門責任者は,定められた期限内に適切な是正処置を行う。
なお,内部監査は少なくとも毎年 6月頃に定期的に実施するほか,検査部管理主体の指示により臨時の内部監査を実施する。
3) マネジメントレビューへの報告
品質管理者は,内部監査の結果をマネジメントレビューのインプット情報として,検査部管理主体に提出する。
4.14.6 リスクマネジメント
検査部管理主体は,インシデント,アクシデント記録から,患者の安全と検査結果にに重大な影響をもたらす因子を抽出し,以下の事項を患者リスクとする。
a) 検体の取違い
b) 検体の前処理ミス
c) 検査結果誤報告
d) 採血時椅子からの転倒、神系損傷など
これらに関連する作業プロセスを特定し,リスクを低減するために「不適合・是正処理実施手順書」に基づき改善対策を講じる。
実施した結果は,マネジメントレビューでレビューする。
4.14.7 品質指標
検査部管理主体は、4.12 継続的改善 2)患者診療への寄与 に基づき,品質指標を施行する。
LISの進捗管理で検査所要時間(TAT)を管理する。
品質指標に取り組んだ結果は,マネジメントレビューでレビューする。
4.14.8 外部監査
検査部管理主体は,外部監査の結果,指摘事項について緊急処置,是正処置または予防処置を講じる。これらの結果は,マネジメントレビューでレビューする。
なお,外部監査として以下がある。
a) 医療監査(●●県衛生当局,保健所)
b) ISO 15189審査(公益財団法人日本適合性認定協会)
c) 医療機能評価(公益財団法人日本医療機能評価機構)
d) その他

関連文書 
QT 01-02  内部監査手順書
RE01-001 「内部監査計画書」 :

指定されたファイルは存在しません。


RE01-003 「内部監査報告書」 :

指定されたファイルは存在しません。


RE01-004 「是正・予防処置計画/報告書」 :

指定されたファイルは存在しません。


QT 01-13  不適合・是正処理実施手順書 (改善提案書含む)
QT 01-21 検体検査実施手順書 Ⅱ
EX Hosp-007「医療安全管理マニュアル」 :院内共有フォルダ
RE01-123「要員からの提案記載表」 :

指定されたファイルは存在しません。

4.15 マネジメントレビュー
4.15.1 マネジメントレビューの実施
検査部管理主体は,検査部の品質マネジメントシステム及び検査とアドバイス活動を含む全ての医療サービスが,患者診療の支援において継続して適切かつ有効であることを確実にし,また必要な変更や改良を導入するために検査部精度保証会議にてマネジメントレビューを毎年定期的に実施するほか,必要に応じて適宜実施する。

4.15.2 レビューへのインプット
マネジメントレビューには,次の事項を含む。
1) 依頼,手順の適格さ,サンプル(試料)要求事項の定期的レビュー(4.14.2)
2) 「ラボニュース」
3) 利用者からのフィードバックの評価(4.14.3):アンケートなど
4) スタッフの提案(4.14.4)
5) 最近の内部監査の結果(4.14.5)
6) リスクマネジメント(4.14.6)
7) 品質指標(4.14.7)
8) 外部機関(JAB,医療機能評価機構,行政等)による評価(4.14.8)
9) 外部精度管理及び検査室間比較の結果(5.6.3)
10) 苦情の監視及び除去(4.8)
11) 供給者の遂行能力(4.6)
12) 不適合の識別及び管理(是正処置(4.10参照)及び予防処置(4.11参照)の現状を含む継続的改善の結果(4.12)
13) 前回のマネジメントレビューの追跡調査
14) 品質マネジメントシステムに影響する業務の量及び範囲,要員,及び施設の変更
15) 技術的要求事項を含む改善への推奨事項

4.15.3 レビュー活動
検査部管理主体は,インプット情報に関して分析,評価を行う。
1)不適合事例の原因,傾向及びパターン
2)改善の機会,及び品質方針,品質目標を含む品質マネジメントシステムの変更の
必要性に関する評価
3)患者診療に対する貢献
次の情報をレビューする。

① 品質指標と合う項目をレビューする。

4.15.4 レビューからのアウトプット  
検査部管理主体は,インプット情報を分析,評価し,以下の視点からアウトプットする。
1) 品質マネジメントシステム及びそのプロセスの有効性の改善
2) 利用者へのサービスの改善
3) 資源の必要性
検査部管理主体は,アウトプットの結果,指示事項,実施期限,実施責任者を明確にし改善の取り組みを確実にする。
アウトプットの指示事項の取り組みの進捗は品質管理者が行う。
検査部管理主体は,アウトプットの結果について,検査部部門長会議により要員に周知する。
関連文書
RE01-81 マネジメントレビューインプット情報(原本) :

指定されたファイルは存在しません。


RE01-108 レビュー活動 :

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RE01-82 マネジメントレビューアウトプット情報(原本) :

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RE01-005 マネジメントレビュー記録表 :

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5.技術的要求事項
5.1 要員
5.1.1 一般
検査部管理主体は,臨床医及び患者等の利用者のニーズを満たし検査サービスの品質の維持向上を図ることを目的に,要員の力量を確保するための手順を整備し,全ての要員が臨床検査技師としての専門性と医療スタッフとしての誇りを持って職務を全うできるように管理を行う。
5.1.2要員の資格
検査部管理主体は,「職務規程」に基づき職位に応じて必要な資格を明確にするとともに,要員の資格を「職員名簿」に明記する。
資格の区分は次のとおりとする。
1) 国家資格
2) 学会認定資格
3) 検査部が認定した特定業務者
検査部管理主体は,「職務規程」,「院内情報システム管理手順書」各部門「LIS手順書」,「内部監査手順書」に基づき,特定業務(HISマスタ管理,LISシステム管理,LISマスタ管理,内部監査等)を行う要員を任命し,登録する。
5.1.3 職務規程
検査部管理主体は,要員の責務,権限,職務を規定した「職務規程」を策定し,運用する。
5.1.4 要員への組織環境の紹介
新規採用及び転入した職員が安全な環境下で安心して職務が遂行できるように,以下のオリエンテーリングプログラムを実施する。
1) 検査室組織及び各検査室の機能
2) 検査室設備
検査室,居室,その他ユーティリティ
3) 安全衛生に関する事項
火災,緊急時,不測の事態(停電等)の対応を含む
4) 労働衛生に関する事項
検体及び化学物質取扱いの注意事項,感染防御対策(白衣,マスク等の防護具の使用),定期健康診断,不慮の事故(不慮の事故:針刺し事故,放射線暴露,ホルマリン等危険有害性物質暴露)など
5) 必要に応じて雇用期間,条件
5.1.5 トレーニング(教育・訓練)
検査部管理主体は,検査サービスの品質を維持向上するために要員が継続的なあらゆる段階の教育プログラムを利用できるようにする。
教育プログラムには以下を含む。
1) 品質マネジメントシステム
2) 各自が割り当てられた業務プロセス及び手順
3) 検査室情報システム(LIS)
4) 安全衛生(有害インシデントの影響の回避又は抑制を含む)
5) 倫理(コンプライアンス)
6) 患者情報の守秘義務
教育訓練は「新規採用職員研修プログラム」「検査業務別教育プログラム」に基づき実施する。
要員は,教育訓練の実施結果とその効果について,「教育訓練記録」にて検査部管理主体に報告する。  
5.1.6 力量評価
各検査部の要員は,トレーニングの実施後に必要に応じて,所属員の職務に対する力量を評価する。一定の基準に満たなかった者もしくは職場に復帰した者に対しては再訓練及び再評価を実施する。   
5.1.7 スタッフの遂行能力のレビュー
各検査部の要員は,検査技師としての専門性,学術知識のほかに,適切かつ効率的な検査業務を遂行していくかの能力(実行力,協調性,判断力,企画力,洞察力,問題解決能力など)についても力量評価時に考慮する。
5.1.8 継続的教育及び専門的能力の開発
検査部管理主体は,検査技師としての専門性,学術知識の向上を図るために,学会,研修会,技師会活動への参加,各検査部門の勉強会への参加を可能な限り支援する。
要員は,これらの活動結果をその効果について,「報告会」「復命書」にて検査部管理主体に報告する。
5.1.9 要員の記録
検査部管理主体は,「職務規程」「教育訓練実施手順書」に基づき,全ての要員の適切な教育と専門資格,訓練と経験及び力量に関する次の記録を保管する。
1) 教育及び専門資格
2) 免許証及び証明書等の写し
3) 職務履歴(本院及び本院外における業務経歴)
4) 職務定義書(職務規程)
5) 新規スタッフの検査室環境への導入
6) 現行職務のトレーニング(教育訓練)
7) 力量評価
8) 継続的な教育及び達成度の記録
9) 遂行能力評価
10) 不慮の事件又は事故に関する記録
11) その他,健康上の記録(職業上の危険に遭遇した記録及び免疫状況に関する記録)
検査部管理主体は,要員の申し出に基づきこれらの記録を開示する。
 
関連文書
EX Hosp-007「医療安全管理マニュアル」:共有フォルダ内
EX 01-11-001「検査部感染防止マニュアル」 :

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EX Hosp-011「院内感染対策マニュアル」:内共有フォルダ内
QT 01-03  職務規程
QT 01-05  教育訓練実施手順書
EX Hosp-001 医師コメデイ用オリエンテーション検査技術室 vol.1 :

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         vol.2 :

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RE 01-008 要員教育計画表 :

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RE 01-015 教育訓練年度計画表(出張関連)(出張予定表、勉強会予定表) :

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QT 01-18  検査室環境管理手順書
QT 01-25  院内情報システム管理手順書 企画情報室
QT 01-02  内部監査手順書
RE01-097 「職員名簿 技師会番号」 :

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RE01-120 資格・経歴(職員リスト) :

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EX-013 「医学検査における倫理」 :

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RE01-093 「〇〇病院病院定款」 :

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5.2 施設及び環境条件
5.2.1 一般
検査部管理主体は,仕事の質,品質管理手順,要員の安全性,患者診療サービスなどを犠牲にすることなく作業を遂行できるように十分なスペースを確保する。
また,常設の検査施設以外での一次サンプルの採取及び検査場所についても同様のスペースを確保する。
5.2.2 検査室及び事務施設設備
要員,来訪者を考えられる危険から守り検査業務を適切に遂行するために,「検査室環境管理手順書」に基づき検査室及び事務管理施設の環境を維持管理する。
1) 入退室管理を行い,検査室への入室時は所定の白衣の着用を義務付ける。
検査の品質に影響する区域への関係者以外の立入り及び使用を「訪問記録簿」により管理する。
2) 要員は,採血時及び検体を取り扱うときは手袋着用により安全衛生を確保する。
3) 業務外での医療情報,患者検体の使用を制限する。
4) 部外者によるサンプル持ち出し対策を講じる。
5) 検査室内における床の電源,ダンボール箱の直置き不可,測定装置のアース接続,感染性・有害性物質からの防御など安全確保を図る。
6) 通路に障害物を置かない。通路にケーブルを通す場合は,モール等でケーブルが適切に保護されている。
7) 高い場所からの物品の落下,機器,書棚等の転倒を防止する。
8) エネルギー源,照明,換気,水,ごみ,廃棄物処理等の環境条件を整え,正しい性能の検査を可能にする検査施設を維持する。
9) 床,壁面,天井,実験ベンチ,戸棚,引き出し,シンク等が清潔であり,スペース全体が整理整頓され,効率的に利用されている。
10) 電話,メール,部内掲示,回覧等によるコミュニケーション手段の活用及び各種会議,ミーティングにより意思の疎通を図る。
11) 安全器具,安全設備の管理を行い,要員の安全を確保する。
安全設備:低温室入室中の表示灯,手洗所での吐水口回転型水栓などの設置を図る。
5.2.3 保管施設設備
検査部管理主体は,サンプル,スライド,保存微生物,文書,ファイル(電子ファィルを含む),マニュアル,機材,検査部補給材料,記録,結果等の保管及び保存を確実に行えるように必要なスペースと保管庫,書棚等の環境を確保する。
測定後の患者検体,毒劇物,危険物,廃棄物の保管については以下のとおりとする。
1) 測定後の患者検体は,転倒防止策を講じ交差汚染と濃縮を防止する。
2) 毒劇物や危険物の保管施設設備と廃棄物の保管設備は,法令に準拠して表示する。
3) 毒劇物及び危険物は鍵付き保管庫に保管し,施錠管理する。
5.2.4 スタッフ施設設備
スタッフ施設として,カンファレンス室,技師控室,宿直室等のスタッフ用の居室,個人防護具及び防護衣の保管施設を設置し,検査室と明確に区分する。
スタッフ施設には洗面・手洗,パントリー,休憩所を設置し,要員は整理整頓に心がける。
5.2.5 患者検体採取施設設備
検査部は,一次サンプルの採取場所は,採取条件を最大限考慮した上で体の不自由な人,患者の安心及びプライバシーを確保する。
1) 採取場所には保護者,介助者などの同伴者にも考慮して長椅子などを用意する。
2) 採血室は,検査結果に影響を及ぼさない方法で採血が可能な設備を維持する。
3) 採血室には,AED(自動体外式除細動機),救急用備品を設置し,維持管理する。
5.2.6 施設保守及び環境管理
検査室内は機能的な環境を維持管理するために,「検査室環境管理手順書」に基づき以下の事項を実施する。
1) 全ての測定に対して,一次サンプルの採取及び検査を行う環境が,検査結果を無効にし悪影響を及ぼすことのないように環境を維持する。
2) 両立不可能な活動が行われている隣接場所との間に検査室の独立もしくは,パーテション等により効果的に分離して,交差汚染を防止する。
関連文書
QT 01-05  教育訓練実施手順書
QT 01-18  検査室環境管理手順書
EM 01-01「採血業務手順書」 :

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QT 01-19  劇物・毒物管理手順書 (細菌検査、検体検査アジ化Naのみ)
RE01-023「劇物・毒物使用管理台帳」:受付・細菌室ノート記入
EX01-002 「検査室入室規約」 :

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RE01-030 「来訪者管理台帳」 :

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5.3 検査部の機材
検査部の機材には,装置のハードウェア及びソフトウェア,測定システム及び情
報システムを含む。
試薬には,標準物質,キャリブレータ及び精度管理物質を含む。
消耗品には培地,ピペットチップ,スライドガラスなどを含む。
外部からのサービス,機材,試薬及び消耗品の選定と購買に関する事項は4.6参照
5.3.1.1 一般
検査部管理主体は,検査サービスを提供するための必要な機材の選定,購買,管理に関する手順を「購買管理手順書」「機材管理手順書」に規定する。
機材を選択する際には,エネルギーの使用及び将来の廃棄(環境保護)について配慮する。
5.3.1.2 機材受入検査
検査部管理主体は,機材が(据付時及びルーチンでの使用で)要求される性能を達成する能力を有し,当該検査に適用される仕様に適合することを確認する。
検査部は,「機材管理手順書」に基づき,個々の機材を次の方法で明瞭に識別する。
1) 管理番号
2) 機材名称
3)管理者名
4) メーカー名
なお,機材が小さく識別すべきスペースが十分に確保できない場合は,管理番号のみ機材に表記し,保管場所に該当する機材の名称,管理者名等を記載したリストを配備する。
5.3.1.3 機材-使用に関する指示
機材は,機材の操作及び日常の保守管理に関する教育訓練を受け,権限を付与された担
当要員のみが操作する。使用権限を「機材管理手順書?」に明記する。検査部の要員は,「機材管理手順書」に基づき,機材の使用及び保全に関する最新の指示書を,担当要員がいつでも利用できる状態にする。
「機材管理手順書」に基づき,機材の安全な取扱い及び保守管理を実施する。
5.3.1.4 機材校正及び計量計測トレーサビリティ
検査部管理主体は,検査結果に影響する機材の校正を適切に実施するために手順を「機材管理手順書」に規定する。
校正に関する手順には,次の事項を含む。
1) 使用条件と製造業者の指示の考慮
2) 物理標準の計量計測トレーサビリティ,機材に包含されている温度計,シリンジのトレーサブルな校正の記録
3) 測定の精確さ及びシステムの機能の定期的な検証
4) 校正状態及び再校正日の記録,並びに機材へのレベル表示
5) 校正時に補正係数を設定する場合,以前の補正係数が正しく更新されることの確認
6) 検査結果が無効になる恐れのある調節や勝手な変更を受けないような防護(ハードウェア,ソフトウェア)
 検査部が採用する検査方法の計量計測トレーサビリティは,可能な限り上位の標準物質又は基準操作法にトレーサブルであり,多くの場合,製造業者から提供されるトレーサビリティの文書が使用できるが,トレーサビリティが確保されていない検査方法の場合は,以下を実施する。
1) 各団体が主催している外部精度管理への参加
2) 特性が認証されている標準物質の使用
3) 他の測定法による検査又は校正
4) 全ての関係者によって合意されている基準物質及び検査方法
5.3.1.5 機材保守及び修理
検査部管理主体は,適切な校正と機器,試薬,分析システムが機能していることを定期的に監視し,立証するプログラムを「機材管理手順書」設定する。さらに,「機材管理手順書」に基づき,機器の予防保全計画を明示した「定期校正/点検計画書」を作成,実施し,記録を保管する。予防保全計画は,最低限製造業者の取扱説明書等に記載された保全指示に従う。
1) 機材の保全
検査部の要員は,「機材管理手順書」に基づき,機材を安全な作業環境で保全する。この保全には,次の事項を含める。
① 製造業者による電気安全及び緊急停止装置,安全操作の試験
② 化学物質,放射性物質,及び生物学的物質の安全な取扱いと廃棄処分
保全にあたっては取扱説明書等あるいは指示書又は双方を適宜使用する。
2) 機材の異常時の処置
検査部の要員は,「機材管理手順書」に基づき,機材に異常が認められた場合,修理及び校正が行われ,設定した許容基準に合致していることを校正,検証,又は試験によって示されるまで識別し,業務の使用から除外して適切に保管する。また,この異常がそれまでの検査に与えた影響を調査し,「不適合・是正処理実施手順書」に基づき是正処置を実施する。
なお,検査部の要員は,「機材管理手順書」に基づき,使用,修理,あるいは使用停止を行う前に,機材を汚染除去する適切な処置を行う。
3) 機材の修理
検査部の要員は,「機材管理手順書」に基づき,汚染除去で行った処置のリストを機材の修理を行う者に提供する。検査部の要員は,修理のための適当なスペース及び適切な個人用防具を,修理を行う者に提供する。
4) 校正日または点検実施日の明示
検査部の要員は,「機材管理手順書」に基づき,検査部の管理下にある機材の業者による校正または点検が必要な機材に,校正または点検の実施日,及びそれらの次回行うべき年月を機材に明示する。
5.3.1.6 機材-有害インシデント
検査部管理主体は,機材が検査結果に重大な影響を及ぼすことが確認された場合,製造業者に連絡し適切な対応を要求する。また,法規制等で指定された機材については,当該法規制に従い行政当局に報告する。
5.3.1.7 機材の記録
検査部の要員は,「機材管理手順書」に基づき検査の性能に寄与する機材の記録について「機材管理リスト」及びファイルを作成し管理する。また,機材の記録には次の事項を含む。
1) 機器の識別番号
2) 製造業者名称,型式,シリアル番号または固有の識別
3) 供給者または製造業者の連絡先
4) 受領日,使用開始日
5) 現在の設置場所
6) 受領時の状態(例:新品,既使用品,あるいは再調整)
7) 製造業者の指示(取扱説明書とその保管場所)
8) 使用の妥当性を確認できる機器性能記録
9) 実施した点検,校正と次回の予定
10) 機材の性能仕様に記録
11) 機器に生じた故障,機能不全,施した変更又は修理
12) 可能であれば,更新予定年月日
機材の性能記録には,全ての校正や点検に関する日付と結果,調整,許容基準,及び
次回の校正/検証を要する日付と保全/校正の間に実施するべきチェックの頻度を入れた報告書/証明書のコピーを含める。
検査部が許容基準,方法,及び保全又は校正ないしは両方の頻度を決定する際,可能な限り,製造業者の取扱説明書等を使用する。これらの記録を「機材管理手順書」に基づき維持し,機材の使用期間中または法規制で定められた期間中は直ちに利用できるように保管する。
5.3.2 試薬及び消耗品
5.3.2.1 一般
検査部管理主体は,検査サービスを提供するための必要な試薬及び消耗品の受取,保管,検収,在庫管理に関する手順を「購買管理手順書」「試薬消耗品管理手順書」に規定する。
5.3.2.2 試薬及び消耗品-受取及び保管
試薬及び消耗品は直接検査室に搬入される。
受取者は確認後、各要員のサインをして、保管管理する。(病院物流システム)
検査部要員は検収した試薬及び消耗品の保存条件に従い所定の保管場所に保管する。
5.3.2.3 試薬及び消耗品-受入検査
「購買管理手順書」に基づき購入した機材及び消耗品は,「標準操作手順書」に定められ
た標準仕様又は要求事項に適合することが検証されるまでは使用しない。
各検査部の要員は,受入検収基準に基づき,適合性を検証する。検証の結果を「品質文書管理手順書」に基づき記録し,保管する。
検査の品質に影響する消耗品(例:培地)についても,使用前に性能仕様を検証する。
5.3.2.4 試薬及び消耗品-在庫管理
要員は,病院物流システムにより適切な在庫管理を行う。物品の受入れ時は要員が立会い,品目,外観,数量,を確認し,納入伝票に記録し,保管する。
試薬・精度管理物質・校正物質の「試薬及び消耗品管理表」には,ロット番号,検査部のサービスにおける使用開始日等の記録を含む。

各検査部の責任者は,「試薬消耗品管理手順書」に基づき院内物流システムにより供給品の在庫管理を行う。外部からのサービス,供給品及び購入した製品に関する記録(試薬・精度管理物質・校正物質のロット番号,検査部での受領日,検査部のサービスにおける使用開始日等)を作成する。
5.3.2.5 試薬及び消耗品-使用に関する指示
各検査部門の責任者は,試薬及び消耗品に関して,保管条件,使用上の注意等の指示事項については,試薬添付文書などの製造業者からの情報を各検査項目の「標準作業手順書」に反映し,活用できるようにする。
5.3.2.6 試薬及び消耗品-有害インシデント
 検査部管理主体は,試薬及び消耗品が検査結果に重大な影響を及ぼすことが確認された場合,製造業者に連絡し適切な対応を要求する。また,法規制等で指定された機材については,当該法規制に従い行政当局に報告する。
5.3.2.7 試薬及び消耗品の記録
検査部の要員は,「試薬消耗品管理手順書」に基づき検査の性能に寄与する試薬及び消耗品の記録について「試薬及び消耗品管理台帳」及びファイルを作成し管理する。また,試薬及び消耗品の記録には次の事項を含む。
1) 試薬及び消耗品の識別
2) 製造業者名称,バッチコードまたはロット番号
3) 供給者または製造業者の連絡先
4) 受取日,有効期限,使用開始日,該当する場合は業務使用から外れた日
5) 受取時の状態(例:受入可,破損,汚れ,液漏れなど)
6) 受領時の状態(例:新品,既使用品,あるいは再調整)
7) 製造業者の指示(添付文書)
8) 試薬及び消耗品の使用に関する最初の妥当性確認記録
9) 試薬及び消耗品が継続して適合している記録
要員が試薬として自家調製した場合,調製を実施した者または部門名,及び調製日を記録する。また,基質等を溶解液で溶解した場合には,試薬ボトルに調製者及び調製日を記載し,記録とする。

関連文書
QT 01-24  機材管理手順書
QT 01-04  購買管理手順書
「標準作業手順書」:SOP? 
「標準操作手順書」:機器SOP?
QT 01-11  試薬消耗品管理手順書
QT 01-13  不適合・是正処理実施手順書
QT 01-25  院内情報システム管理手順書
RE01-056 「機材管理リスト」 :

指定されたファイルは存在しません。


RE01-044 「検査機器点検・修理報告書」 :

指定されたファイルは存在しません。


RE 01-057 納品リスト(試薬リスト) :

指定されたファイルは存在しません。


「試薬及び消耗品管理台帳」「試薬及び消耗品管理表」
(科は、納品確認後受け取り要員のサイン控のみ、主は総務と管理課;物流システム)
QT 01-06  品質文書管理手順書
QT 01-15  妥当性確認手順書
QT 01-22  内部精度管理手順書
QT 01-07  検査室比較管理手順書

5.4 検査前プロセス
5.4.1 一般
患者検体を適切に採取し,検体の変性,劣化を抑制して検査プロセスに供するための手順を「検査案内:(検査の手引き)」及び「検体管理手順書」に規定する。
5.4.2 患者及び利用者への情報
検査部管理主体は、,一次サンプル(以下,検体)の適切な採取及び取扱いに関する指示を「検査案内:(検査の手引き)」にて文書化し,配布する。
患者及び利用者への情報として,「検査案内:(検査の手引き)」には以下の情報を含める。    

1) 委託検査を含めた検査部が提供する検査サービスの種類
2) 検査室の業務時間
3) 要求される検体に関する情報,検体量,特別な注意事項,所要時間,生物学的基準範囲及び臨床判断値を含む検査部が提供する検査
4) 依頼書の記入に関する指示事項
5) 患者の準備に関する指示事項
6) 採取された患者検体に関する指示事項
7) 特殊な取り扱いの必要性を含む検体の搬送に関する指示事項
8) 患者同意に関する事項(例 委託が必要な場合に,適切なヘルスケア専門家に臨床情報及び家族歴を公開することへの同意)
9) 検体受入不可基準
10) 検査の性能仕様や結果の解釈に重大な影響を与えることが知られている要因のリスト
11) 検査の依頼及び検査結果の解釈における臨床アドバイスが利用できる
12) 個人情報の保護に関する検査室の方針
13) 検査室の苦情処理手順  
検査部は,臨床医の要請によりインフォームドコンセントに必要な検査手順を含む情報を提供する。
必要な場合(例 遺伝子学的検査結果の解釈など),患者及び家族情報の提供の重要性について,患者及び臨床医に説明する。
5.4.3 依頼様式情報
検査部管理主体は,患者及び正当な依頼者を特定するのに十分な情報と適切な臨床データを記録するために,オーダリングシステム(電子媒体による検査依頼)あるいは検査依頼伝票(規程の帳票用紙)は,それらを記載できるフォーマットとする。
また,オーダリングシステムあるいは検査依頼伝票には次の事項の欄を設ける。
1) 患者固有の識別(患者氏名,ID番号)
2) 性別,生年月日を含めた患者の場所/連絡先
3) 医師の氏名又は固有の識別と報告書送付先
4) 検体の種類及び必要な場合はその採取部位(材料別)
5) 依頼検査項目
6) 検査の実施及び結果解釈に必要な患者及び依頼に関する臨床関連情報
 例:家系,家族歴,旅行歴及び暴露歴,感染症,並びにその他の臨床関連情報
7) 検体採取日,必要に応じて採取時間
8) 検査室がサンプルを受領した日時
検査部管理主体は,「検体検査実施手順書」に基づき,オーダリングシステムの様式及び検査部への連絡方法について,臨床側と協議して決定する。

5.4.4 一次サンプル採取及び取扱い
5.4.4.1 一般
 検査部は,検査室スタッフ及び検体採取者が検体採取を適切に実施するために,「検査案内:(検査の手引き)」を作成する。
検査部は,「検査案内:(検査の手引き)」を臨床検査技師のほか検体採取を行う看護師,臨床医などが検体採取を行う場所(検体採取室,病棟,診察室,ナースステーション,など)に配布し,周知する。
5.4.4.2 採取前活動に関する指示
 検体採取前の指示事項には,次の事項を含む。
1) 依頼書又は電子依頼の完成見本
2) 患者の準備(介護人,採血者,検体採取者,患者への指示)
3) 採取すべき検体の種類と量,及び検体容器及び必要な添加物
4) 必要な場合は,検体採取の特別なタイミング
5) 検体採取,検査の性能や結果解釈に影響を与える,又は関連する臨床情報(薬物投与歴など) 
5.4.4.3 採取活動に関する指示
 検体採取時の指示事項には,次の事項を含む。
1) 検体が採取された患者の身元確認
2) 検査前の諸注意を患者が満たしているかの確認
[絶食状態,薬物療法状態,(最終投与時間,中断),規定採取時間又は時間間隔,など]
3) 血液及び血液以外の検体の採取に関する指示,及び検体容器及び必要な添加物の指示事項
4) 検体容器の情報と必要な添加物及び取扱い,検体搬送条件が定められ,検体の採取,搬送の臨床スタッフへの伝達
5) 患者とトレーサブルなバーコード等のラベルの貼付の指示
6) 検体採取者,採取日,必要な場合には採取時間の記録
7) 採取された検体が検査室に引き渡されるまでの適切な保存条件
8) 採取に使用された材料の安全な廃棄
5.4.5 検体の搬送
各検査部門の要員は,「検体管理手順書」に基づき,検査部までの検体の搬送について次の事項を監視する。
1) 採取から受領までの経過時間が実施する検査の特性に対し適切な範囲内であることの確認
2) 採取容器及び搬送中の温度が,「検査案内:(検査の手引き)」,外部委託検査室の「総合検査案内」で指定した条件に適合していることの確認
3) 検体の安定性を保証されている指定された安定剤を使用していることの確認
4) 搬送者,一般人,受け付ける検査部門の安全性が確保されていることの確認
5.4.6 検体の受取
検査部管理主体は,検体の受付可否に関する基準を「検査案内:(検査の手引き)」に定める。検査担当者は,「検査案内:(検査の手引き)」を満たさない検体を受け付けた場合,「検体検査実施手順書」に基づき検査報告書にその理由及び検査結果の解釈上に注意が必要であることを記載する。
検査担当者は,「検査案内:(検査の手引き)」に基づき以下の条件を満たす検体と検査依頼伝票(電子媒体と紙媒体)に記載された患者をトレースできるよう,病院情報管理システム(HIS)より発行されたバーコードラベル又は検体固体識別ラベルを検体に貼付する。
1) 検体は,識別された患者又は部位に対し,検査依頼伝票及びラベルで明瞭にトレーサブルである
2) 検体受入基準を設定し,受付した検体を評価する
3) 検体受入時に次のような不具合を確認した場合には,最終報告書には問題の状況,及び適用される場合には結果の解釈の際に注意が必要であることを明示する
① 患者または検体識別,搬送遅延または不適切な容器に起因した検体が不安定になった場合
② 検体量が不足していた場合
③ 検体が臨床的に重要である場合や代替不可能であるが,検査部が検査を進めた場合
4) すべての受領した検体は,受領簿,ワークシート,コンピュータ又は同様なシステムに記録する
5) 検体受付日時を記録する
6) 可能な場合,検体の受取者の識別を記録する。
7) 緊急のマーク付きで受け入れた検体について受付,ラベルの付与,処理,報告について「検査案内:(検査の手引き)」に定める。なお,上記システムに適用できない場合は,次のように扱う。
検査担当者は,「検査案内:(検査の手引き)」に基づき,例外に関して検体の個体識別について責務を負う者のサインを検査依頼伝票又は検査依頼伝票にトレーサブルな形で記録する。
1) 適切な個体識別がされていない場合
検査部は検体の受付や,処理を行わない。
2) 検体の個体識別が不明確な場合
検体の分析成分が不安定な場合,代替できないあるいは重要な検体の場合検査担当者は検体の測定を進めるが,依頼医師又は検体採取責任者が検体を識別し受け入れる責任を表明し,適切な情報を提供するまでは結果を報告しない。
各検査部門の要員は,何らかの理由でISO 15189の要求事項が満たされずにその検査が実施される場合は,「検査案内:(検査の手引き)」に基づき,依頼責任者を報告書に明記する。
また,将来の検査のためにを保管する場合,「検体管理手順書」に基づき識別する。
5.4.7 検査前-取扱い,調製及び保管
検査担当者は,「検体管理手順書」に基づき,検体を結果報告後の再検査又は追加検査のために,検体特性の安定性が確保できる状態で一定期間保存する。
5.4.8 検体採取量の見直し
各検査部門は,「検査案内:(検査の手引き)」に基づき,検体量の不足や過剰採取を避けるために静脈採血等(脳脊髄液などの他の検体を含む)に必要な量を検査方法変更の発生時及び年度末に見直しを実施する。
5.4.9 検査方法の決定
各検査部門の要員は,「検査案内:(検査の手引き)」に基づき,系統的に検査依頼と検体を見直し,どの検査をどの方法で実施すべきかを技術管理者に提起する。技術管理者は,検査部精度保証委員会に検討を依頼し,その報告に基づき検査部管理主体が協議し最終決定する。
5.4.10 口頭依頼検査の方針及び手順
検査部は,口頭のみによる検体検査の依頼には対応しない。

関連文書
QT 01-99  検査案内:(検査の手引き)
QT 01-21 検体検査実施手順書 Ⅱ
QT 01-20  検体管理手順書
  
5.5 検査プロセス
5.5.1 検査手順の選択,検証及び妥当性確認
5.5.1.1 一般
検査部は,「標準作業手順書管理手順書」に基づき,検査部のサービス利用者のニーズに合致し妥当性確認済みの検査方法を採用する。
検査方法の採用にあたっては,次の方針に基づくものとする。
1)検査依頼者(臨床医,患者等)のニーズに適切である。
検査の目的によって検査方法が異なる場合がある。
使用するサンプル(検体)に適切である。
2) 公的に認められている方法を優先して使用する。
薬事法で登録された機材を用いる検査法は公的に認められていると判断される
3) 学会が推奨している検査方法を使用する。
可能な限り,確立された/権威のある教科書,専門家により吟味された文献,又は定期刊行物,国際,国内又は地域で勧告された検査方法を優先する。
検査部の要員は,「標準作業手順書管理手順書」に基づき,検査で使用する個々の検査手順の性能仕様がその手順の意図する用途に合致していることを確認する。
なお,インハウス法を用いる場合,検査部の要員は,「妥当性確認手順書」に基づき,適切に妥当性を確認し,採用する検査方法を完全に文書化する。(①細菌微生物室:自家製培地 ②血液検査:フローサイト造血器腫瘍マーカー)
5.5.1.2 検査手順の検証
検査部の要員は,試薬添付文書などの製造業者の推奨する方法に基づく検査手順について,日常検査に使用開始する前に「妥当性確認手順書」に基づき検証を実施し,その妥当性を確認して検査部管理主体のレビューを受ける。
1) 妥当性確認の実施に当たり,あらかじめ評価基準を含むプロトコールを作成し検査部管理主体の承認を得る。
2) 検査手順の性能特性を確認するために,製造業者からの情報を入手する。
3) 検査手順の検証は,検査結果の使用目的に合致した性能特性に適合することを検証する。
 検査部の要員は,妥当性確認に使用したプロトコール及び記録,検査部管理主体によるレビュー記録を保管する。
5.5.1.3 検査手順の妥当性確認
検査部の要員は,検査手順が以下に該当する場合には妥当性確認を実施し記録を保管する。
1) 標準的ではない方法
   上記5.5.1.1以外の方法
2) 検査室がデザイン又は開発した方法(インハウス法)
3) 目的とする適用範囲以外に利用される標準的な方法
4) 妥当性確認され,その後改変された方法
妥当性確認の方法は,上記5.5.1.2の1)~3)に準拠して実施する。
5.5.1.4 測定された量の値の測定不確かさ
各検査部門の要員は,「妥当性確認手順書」「不確かさ推定手順書」に基づき,以下の検査項目についての測定結果の不確かさの大きさを求める。
不確かさの大きさは,毎年1回求めるほか機材の修理が行われたときも実施する。
測定結果の不確かさの大きさを求める検査項目:以下の21項目
Na,K,Cl,Ca,Mg,GLU,CRE,UA,UN,CHO,TG,ALB,TP,ALT,AST,CK,ALP,LD,γ-GT,AMY,HbA1c 
また,検査項目毎に不確かさの重要な成分を抽出し,「不確かさの要因図」を作成する。
不確かさの要素として,検体の採取,検体の調整,検体分取部分の状態,校正物質,標準物質,入力値,使用した機材,環境条件,検体の状態,実施者の変更などを適宜含める。
5.5.2 生物学的基準範囲または臨床判断値
技術管理者は,生物学的基準範囲または臨床判断値を定義し,その基準範囲または判断値の根拠を明確にし,「標準作業手順書」(以下、SOP)に記載する。
技術管理者は,基準範囲または判断値が基準母集団に対して適切でないと判断した場合,検査部管理主体に報告し,是正処置を実施する。検査部管理主体は,基準範囲または判断値の変更について検査部のサービス利用者に通知する。
技術管理者は,検査手順または検査前プロセスを変更した場合,必要に応じて基準範囲または判断値をレビューする。
5.5.3 検査手順の文書化 
SOPには次の事項を含める。
1) SOPを関連スタッフが作業場所で利用できるように,SOPの作成にあたっては検査部の要員が通常理解できる内容でわかりやすく記載する。
2) 必要に応じてSOPの簡易マニュアルを作成する。この簡易マニュアルがSOPと内容が一致していることを確認し,文書管理を行う。
3) 試薬あるいは手順に大きな変更があった改訂版の検査キットについては,性能と意図する用途への適切性について検証する。
4) 検査結果または結果の解釈が著しく変わるような検査手順の変更を行う場合,手順の妥当性確認を実施する。 
5) SOPには,ISO 15189 5.5.3 a)~t)項の内容を記載する。
検査部管理主体「標準作業手順書管理手順書」に基づき,検査部が測定結果あるいはその解釈が著しく変わり得るようなSOPの変更を行う場合,変更に先立って文書で検査部のサービス利用者に通知する。

関連文書
「標準作業手順書」:SOP?
「標準操作手順書」:機器SOP
QT 01-15  妥当性確認手順書
QT 01-99  検査案内:(検査の手引き)」 「基準範囲」
QT 01-09  標準作業手順書管理手順書
QT 01-21 検体検査実施手順書 Ⅱ
QT 01-23  不確かさ推定手順書
EX-011 不確かさの入門ガイド :

指定されたファイルは存在しません。


EX-014 測定のトレーサビリテイーについての指針(JAB RL331:2013):

指定されたファイルは存在しません。


EX-015 分析前後段階の品質保証についての指針(JAB RM320-2009):

指定されたファイルは存在しません。

5.6 検査結果の品質の確保
5.6.1 一般
検査部は,検査結果の品質を確保することを確実にするために,検査プロセスのみならず,検査前,検査後プロセスを適切に実施する。
検査部は,いかなる結果の改ざんを行わない。

5.6.2 精度管理
5.6.2.1 一般
検査部管理主体は,検査結果の品質保証の方針及び手順を「内部精度管理実施手順書」,「検査室間比較管理手順書」及び「妥当性確認手順書」に定める。
5.6.2.2 精度管理物質
検査部は,「内部精度管理手順書」に基づき,検査結果が目標どおりの品質を維持しているかを検証する。その検証方法は,技術的,医学的判断の基となる明確かつ容易に理解できる情報を要員にもたらすことが重要である。
検体の取扱い,検査依頼,検査,結果報告等のプロセス中の間違いを排除するために特に注意する。 
検査部の要員は,以下の事項を考慮して内部精度管理システムに適切な精度管理物質を使用する。
1) 使用する精度物質は,分析濃度範囲全域を対象にしたものとする。
2) 検査結果が目標通りの品質を達成できていることを検証するために,低値/健常値/高値,健常値/異常値,または陽性/陰性の値を示す精度管理物質を用いる。
3) 精度管理物質には,許容範囲を規定する。
 検査の目的に応じて,精度管理物質の測定頻度を規定し,定期的に測定し監視する。
5.6.2.3 精度管理データ
検査部の要員は,「内部精度管理手順書」に基づき精度管理結果が許容範囲から外れた場合に取るべき処置を実施する。
検査部の要員は,「内部精度管理実施手順書」に基づき精度管理図によるレビューを定期的に行い,管理許容幅からの逸脱の有無に限らず,測定データの傾向(例:ウエストガードルール法によるトレンド現象,シフト現象など)について監視する。監視の結果,異常傾向が認められた場合には是正処置を講じる。
5.6.3 検査室間比較
5.6.3.1 参加
検査部管理主体は,「検査室間比較手順書」に基づき,外部精度管理プログラムに少なくとも毎年3箇所以上参加する。
なお,参加する外部精度管理プログラムの主催機関は次のとおりである。
1) 日本医師会
2) 日本臨床衛生検査技師会
3) ●●県医師会臨床検査精度管理委員会
技術管理者は,外部精度管理プログラムに計画的に参加するために,「外部精度管理プログラム年間計画表」を作成し,実行管理を行う。
技術管理者は,外部精度管理プログラムの結果を監視し,±2SDIを超えた場合または「疑わしい結果」の場合は原因の追求を、また,±3SDIを超えた場合または「不満足な結果」の場合には,検査部の要員に対して,原因を追求し是正処置を指示し実施する。
5.6.3.2 代替のアプローチ
検査部要員は正式な外部精度管理プログラムが利用できない場合,「検査室間比較管理手順書」に基づき以下の代替えの検査室間比較プログラム(以下,技能試験)を実施する。
1)製造業者主催のサーベイに参加する
2)管理試料を委託施設あるいはその他の検査室と分割して分析する
3)試料を分割して自施設で確立された方法で分析する
4)検査済み試料,プール試料,などをブラインドで分析する
5)カルテのレビューにより臨床的妥当性確認を行う
6)その他の適切かつ文書化された方法を採用する
可能な場合,他の検査室との間で検体を相互に交換して測定するような外部由来の検体を利用する。
5.6.3.3 検査室間比較サンプルの分析
技能試験の試料は,日常検査における検査結果の品質を対外的に評価するために,検査前,検査後プロセスを含めて,患者検体の測定と同様に取扱い,測定し結果報告する。
5.6.3.4 検査部の遂行能力の評価
技術管理者は,技能試験の結果についての検査スタッフのレビュー結果をとりまとめ,検査部管理主体に報告する。
検査部管理主体は,これら技能試験の結果を監視し,管理範囲を逸脱している場合,検査部の要員に,是正処置または予防処置を指示する。

5.6.4 検査結果の比較
技術管理者は,異なる測定方法あるいは機材の使用,及び他の場所で検査が実施される場合,「内部精度管理手順書」に基づき、臨床的に適切な範囲内で検査結果の互換性を検証する手法を制定する。
検査部は,このような検証を測定法又は機材の特性から適正な間隔を決め,実施する。検証の結果は文書化し,記録として保管する。
検査部の要員は,検証の結果不適合事項が発見された場合は,「不適合・是正処理実施手順書」に基づく是正処置を実施する。
検査方法を変更する場合は,検査結果の比較結果を検査サービスの利用者に通知する。

関連文書
QT 01-22  内部精度管理手順書
QT 01-07  検査室比較管理手順書
QT 01-13  不適合・是正処理実施手順書
QT 01-15  妥当性確認手順書
RE 01-046「外部精度管理プログラム年間計画表」 :

指定されたファイルは存在しません。

5.7 検査後プロセス
5.7.1 結果のレビュー
検査部管理主体は,検査結果をレビューする権限を与えられた要員が内部精度管理の結果,臨床的情報及び前回値などを参考に検査結果が正しいと判断するためのレビューの手順を「検体検査実施手順書」に規定する。
また,「検体検査実施手順書」には,自動選択及び自動報告のレビューの基準を規定する。
検査結果をレビューする権限を与えられた要員は,「検体検査実施手順書」に基づき検査結果をレビューし,検査サービスの利用者に結果報告する。
5.7.2 臨床検体の保存,保持及び廃棄
検査部管理主体は,検体の識別,取扱い,保存等について「検体管理手順書」に規定する。
また,検体の特性,検査目的等を考慮して検体の保存期間を設定する。
検査担当者は,「検体管理手順書」に基づき,検体及び子分け検体を保存する。
検査担当者は,「静岡県立総合病院医療安全管理マニュアル」に基づき,検査に必要でない検体は関連する法規制を遵守して安全に廃棄する。

関連文書
QT 01-21 検体検査実施手順書 Ⅱ
QT 01-20  検体管理手順書
EX 020 医療安全管理マニュアル:院内共有フォルダ内

5.8 結果の報告
5.8.1 一般
検査部管理主体は,「検体検査実施手順書」に基づき,臨床側と協議し,検査報告書のフォーマットを決定する。また,検査部の要員は,「検体検査実施手順書」に基づき,フォーマットの見直しを定期的に行う。
検査部管理主体は,委託検査室からの検査結果を検査室で転記する場合に,全て正しく転記されていることを検証する手順を「委託検査管理手順書」に定める。
検査担当者は,検査の結果が警戒値/緊急異常値の範囲内に入った場合,臨床医(又は患者診療の責任をもつ他の臨床上の要員)への緊急通知を確実にするために,緊急連絡方法について規定する。
5.8.2 報告属性
検査部の要員は,「検体検査実施手順書」に基づき,検査結果が読みやすく転記ミスが起こらないようにする。検査部管理主体は,患者氏名,生年月日,年齢,性別,依頼元診療科等のほか,以下のコメントを検査結果報告書に記載する。
1) 検体の品質に関するコメント
検体の性状異常:乳ビ,溶血,フィブリン塊析出,検体の種類など
2) 検体受付不可基準(検体量,搬送時間,搬送条件)への適合性に関するコメント
3) 緊急異常結果(該当する場合)
4) 検査結果の解釈,報告可能範囲からの逸脱した場合のコメント

5.8.3 報告内容
検査部管理主体は,「検体検査実施手順書」に基づき患者氏名,生年月日,年齢,性別,依頼元診療科のほか検査の名称,測定結果,結果の解釈等の必要事項を検査結果報告書に含める。
なお,検査報告書は,院内の電子カルテに自動的に報告される。

関連文書
QT 01-21 検体検査実施手順書 Ⅱ
QT 50-01 委託検査管理手順書

5.9 結果報告(リリース)
5.9.1 一般
検査部管理主体は,同意された時間内に依頼者が検査結果を確実に受領できるようにするために,以下の事項を「検体検査実施手順書」に規定する。
1) 検体が検体受付不可基準を逸脱した場合の結果報告書へのコメント記載
2) 警戒値/緊急異常値の範囲内に入った場合の報告
検査担当者は,「検体検査実施手順書」に基づき,「異常値CHECK LIST」範囲の結果に対応して実施した処置は,「異常値CHECK LIST」に記録し,保管する。この記録には日時,対応者,主治医及び検査結果を含む。
3) 読みやすく転記ミスのない結果報告書の検査依頼元への報告
検査担当者は,可能な限り実施した検査及びその結果を,日本国内又は国際的な臨床検査標準化関連の団体が推奨する語彙,記法及び用語に従って記述する。
4) 抗酸菌培養など,中間報告した結果の最終報告の実施
中間報告を行った場合でも最終報告を依頼者に通知する。
なお,口頭による報告は行わない。
検査部の要員は,TAT及びTATに関連した臨床医からのフィードバックを監視,記録し,問題があった場合は検査部管理主体に報告するとともに「不適合・是正処理実施手順書」に基づき是正処置を行う。
5.9.2 結果の自動選択及び自動報告
検査部管理主体は,結果がオンラインシステムにより検査依頼者に確実に報告するために,以下の事項を含む手順を「LIS手順書」に規定する。
1) 自動選択及び自動報告に関する基準が定義され,承認され,容易に利用でき,スタッフが理解している。
自動選択,自動報告の実行を考慮する場合:
レビューが必要な以前の患者値からの変化,不合理,疑わしい又は緊急異常値といった検査部要員の関与が要求される値
2) 自動選択及び自動報告に関する基準について使用前に適切に機能することの妥当性を確認し,機能に影響する可能性があるシステムの変更後に検証している。
3) 検査結果が変わる可能性のある検体の干渉の状態(例 溶血,黄疸,乳び)を示すためのプロセス。
4) 適切な場合,装置からの分析上の警告メッセージを自動選択及び自動報告の基準に組み込むためのプロセス。
5) 自動報告に対して選択された結果は,選択の日時を含め報告(リリース)前のレビュー時に識別でき,選択の日時を含める。
5.9.3 報告書の訂正
検査部管理主体は,報告内容の変更についての方針と手順を「検体検査実施手順書」に定める。
結果を変更する場合,検査担当者は,担当要員に報告するとともに「検体検査実施手順書」に基づき,次の事項を遵守する。
1) 変更された報告書の識別,元の報告書の日付,患者の氏名,IDなど
2) 変更した時刻,日付及び変更責任者名を記録する事項(時期システムで検討中)
検査部の要員は,「検体検査実施手順書」に基づき,変更された結果が臨床上の意思決定に利用できる状態で,続く累積報告書中に保管し,変更されたことを明確に示す。
修正,変更できないシステムの場合には,「画面copy」を使用する。

関連文書
QT 01-21 検体検査実施手順書 Ⅱ
QT 01-06 品質文書管理手順書
QT 01-13 不適合・是正処理実施手順書
LI 01-005「要電話連絡異常値リスト」 :

指定されたファイルは存在しません。


RE 01-017 「検査異常値記録表」 :

指定されたファイルは存在しません。


QT 01-25  院内情報システム管理手順書

5.10 検査部情報マネジメント
5.10.1 一般
検査部は,検査情報を提供するデーターベースのサーバーを検査部から独立した管理室に設置し,管理責任者(LIS管理者)を任命して維持管理する。
検査情報が適切に活用され検査サービスを確実に提供するために,検査室情報システム(LIS:Laboratory Information System)を構築し,各部門「LIS手順書」に基づき運用管理する。各部門「LIS手順書」に基づき,セキュリティー管理,環境管理(温度・湿度管理と清浄性の維持),システムの完全性を維持する。
5.10.2 権限及び責務
検査部管理主体は,LISの維持管理について,以下の事項を含めた責任と権限を「LIS手順書」に規定する。
1) データ及び情報へのアクセス
2) 患者データ及び検査結果の入力
3) 患者データ又は検査結果の変更
4) 検査結果及び報告の報告(リリース)の権限
また,セキュリティーを効果的にするためにLISアクセス者のパスワード管理を行う。
1) 定期的なパスワードの変更
2) 複雑なパスワードの設定(英数字の組み合わせなど)
5.10.3 情報システムマネジメント
各部門「LIS手順書」に基づき,コンピュータまたは自動検査装置を検査データの収集,処理,記録,報告,保存,検索の使用に関して,次の事項を実施する。
1) 装置に内蔵されたものを含むコンピュータソフトウェアが施設での用途に対して十分であることを各部門「LIS手順書」に定め,妥当性を確認する。
2) データの完全性を常に保護するための手順を確立し,実施する。
コンピュータプログラム及び一連のルーチン(命令群)が一般あるいは権限を持たない者によるアクセス,変更,消去に対して十分保護する。
3) 無許可のアクセスから防御する。
4) 不正使用や損失から守られている。
 USB等の接続を禁止する。
5) サプライヤーの性能仕様に合致した環境で操作される。コンピュータシステム以外 
のシステムにおいては,手書きの記録や転記の正確性を保護する条件を提供する。
6) データ及び情報の統合性(完全に整っている状態)を確実にする手段が維持管理さ
れており,システム故障,及び適切で迅速な是正処置の記録が含まれている。
7) コンピュータ及び自動化機材を適正な機能を確保するように保全し,データのバックアップをとりデータを維持するために必要な環境及び作動状態を提供する。
8) データ保護に関して法規制等を遵守する。  
LIS管理者は,検査室情報システム(LIS)が病院の情報システム(HIS)とインター 
フェイスでつながっている場合,検査部はこの2つのシステム間のインターフェイスを通じて伝送された患者結果の正確性を検証し,検査部管理主体に報告する。

関連文書
QT 01-25  院内情報システム管理手順書各部門
RE01-121 「電算ダウン時対応マニュアル」 :

指定されたファイルは存在しません。


RE01-122 「電算障害時マニュアル(機能停止)検体検査」 :

指定されたファイルは存在しません。