4.筋生検業務手順

1.予約検査のため前日までに連絡を受ける。患者名、予定提出時間、感染症の有無等を
  確認する。

2.受取から固定液投入まで原則としてゴム・プラスチック手袋等を着用する。

3.使用したシャーレ、ピンセット、カミソリ等は感染性廃棄物として廃棄または消毒す
  る。

4.検体受取
  a) 検体を生食で湿らせたガーゼにのせシャーレに入れて生標本のまま提出。
  b) 筋の両端を糸等で引っ張り、筋が伸びた状態で提出してもらう。
  c) 検体の有無および適当量であるか確認する。
   検体量が少ない時はその旨指示医に連絡し指示を受ける。

5.検体の分割
  a) 一般光顕用、電顕用および組織化学用に分割する。
  b) 分割時、組織破損防止のため、両刃カミソリを使用することが望ましい。
  c) 電顕用は1 mm3程度に細切し、組織化学用は筋線維と直角に分割する。
  d) カミソリで手指に怪我しないよう注意する。

6.固定法
  各各々の用途により固定する。
  ・一般光顕用:20%ホルマリン固定とし、切り出し時、筋線維に平行と断面の
    両方の面を標本にする。その後の処置は生検材料検査法に準ずる。
  ・電顕用:電顕用固定液(2.5%グルタールアルデヒド)に入れる。その後の
    処理は電顕検査法に準ずる。
  ・組織化学用:ヘキサン等を用い、液体窒素で瞬間凍結する。この時、検体
    をトラガカントゴムで支持する。

7.薄切(組織化学用)
  a) 凍結切片(10μm)を作成し、30分以上風乾する。
  b) 切片は筋線維の断面か確認する。断面でない時はブロックを変動させ、断
   面になるまで行う。
  c) 染色目的に応じた厚さにする。
  d) やや低温(-15℃前後)で薄切する方が容易である。
  e) 標本は速やかに必要分確保し、1スライドに付き3枚以上の切片が添付さ
   れることが望ましい。
  f) 染色不良を予期し、予備の切片を確保する。
  g) 風乾された標本は速やかに染色されることが望ましいが、翌日等に延期す
   る時は冷凍保存とする。

8.染色
  a) 凍結切片に目的に応じた各種染色を施す。
  b) ATP染色はアルカリ側と酸性側が反対に染色されていることを確認する。
  c) 反対に染色されていない時は、再染色する。

9.その他
  I.生検材料検査法の項に準ずる。